あなたの部下が期限を守らない理由

コミュニケーション

はじめに

部下が期限を守ってくれない。

何度伝えても遅れる。
締切前に確認しても、結局ぎりぎりになる。
遅れるなら早めに言ってほしいのに、直前になって報告してくる。

そんな部下に、困ったことはないでしょうか。

上司としては、正直しんどいと思います。

こちらは期限を伝えている。
やることも説明している。
必要なアウトプットも伝えている。

それなのに遅れる。

そうなると、ついこう思いたくなります。

「期限を守るなんて当たり前ではないか」
「なぜ、何度言っても分からないのか」
「仕事を軽く見ているのではないか」
「責任感が足りないのではないか」

その気持ちは分かります。

期限を守ることは、仕事の基本です。
守ってもらわなければ、上司も周りも困ります。
お客様や関係者に影響が出ることもあります。

だから、腹が立つ。
焦る。
また自分が確認しなければいけないのかと、疲れる。

ただ、ここで一度考えたいことがあります。

部下が期限を守らないのは、本当に本人の意識だけが原因なのでしょうか。

もしかすると、
上司と部下の「当たり前」がズレている
のかもしれません。

「期限を守る」は、誰にとっても同じ常識ではない

管理職にとって、期限を守ることは当たり前かもしれません。

期限を守らなければ、次の工程が遅れる。
誰かの確認時間がなくなる。
判断が後ろ倒しになる。
お客様や他部署にも迷惑がかかる。

こうした影響を、上司は経験として知っています。

だから、期限を見た瞬間に、その重みが分かります。

でも、部下も同じように見えているとは限りません。

部下にとっては、目の前の仕事の一つかもしれない。
他にも抱えている業務があるかもしれない。
なぜその日までに必要なのかまでは、見えていないかもしれない。

もちろん、期限を守らなくていいという話ではありません。

ただ、上司の
「期限を守るのは当然」
が、部下にも同じ温度で共有されているとは限らない。

ここを見落とすと、すれ違いが起きます。

上司は「なぜ守れないのか」と思う。
部下は「そこまで重要だと思っていなかった」と感じている。

このズレを放置したまま注意しても、部下の行動は変わりにくいです。

自分の常識を物差しにすると、部下を見誤る

部下が期限を守らないとき、上司はどうしても本人を評価したくなります。

責任感がない。
優先順位が分かっていない。
仕事への意識が低い。
社会人として甘い。

そう見えることもあると思います。

ただ、自分の常識を物差しにして部下を見ると、原因を見誤ることがあります。

上司にとっては当たり前。
でも、部下にとっては当たり前ではない。

これは時代の違いだけではありません。

これまでの経験。
職場で受けてきた指導。
仕事の進め方。
責任の感じ方。
何を優先するかという価値観。

人によって違います。

だから、
「普通は分かるだろう」
「言わなくても分かるはず」
「期限を守るのは常識だ」
で終わらせると、部下とのズレに気づけません。

期限を守ることが大事なのは当然です。

でも、その大事さが部下に伝わっているかどうかは、別の問題です。

部下は「提出日」くらいに見ているかもしれない

期限を守らない部下に対して、上司はこう伝えがちです。

「期限を守ってください」
「遅れるなら早めに言ってください」
「締切を意識してください」

言っていることは間違っていません。

ただ、それだけでは伝わりきらないことがあります。

部下が分かっていないのは、期限そのものではなく、
その期限を過ぎると何が起きるのか
かもしれないからです。

期限は伝えた。
でも、その期限の意味は伝えていない。

この状態だと、部下は期限を「提出日」としてしか見ません。

いつまでに出すか。
それだけです。

でも上司が本当に伝えるべきなのは、そこだけではありません。

その期限を過ぎると、誰に影響が出るのか。
どの工程が遅れるのか。
どの判断ができなくなるのか。
誰が困るのか。

ここまで伝わって、初めて期限の重みが見えてきます。

「なぜ」を伝えると、部下の受け取り方は変わる

たとえば、上司が資料提出を依頼したとします。

「金曜までに出してください」

部下は、金曜が締切だと理解します。

でも、なぜ金曜なのかは分かっていない。

金曜の午後に上司が確認する。
月曜の会議で使う。
その会議で判断が必要になる。
そこで遅れると、次の工程がずれる。

この流れが見えていなければ、部下にとって金曜の期限はただの提出日です。

「少し遅れても大丈夫だろう」
「月曜の朝でも間に合うのではないか」
「ひとまず形になっていればいいだろう」

そう判断してしまうことがあります。

もちろん、勝手な判断はよくありません。

ただ、上司側も
「なぜその期限なのか」
を伝えていないなら、部下だけを責めて終わらせるのは危険です。

期限を守らせたいなら、まず期限の先を見せる必要があります。

「遅れそうなら言って」も、人によって受け取り方が違う

上司はよく、こう伝えます。

「遅れそうなら言ってください」

もちろん大事な言葉です。

ただ、これも人によって受け取り方が違います。

上司は、早めの相談を期待している。
でも部下は、ぎりぎりまで何とかしようとする。
上司は、途中で共有してほしいと思っている。
でも部下は、完成してから見せるものだと思っている。

このズレもよく起きます。

だから必要なのは、相談のタイミングまで具体的に伝えることです。

「水曜の時点で半分進んでいなければ、一度相談してください」
「方向性で迷ったら、その時点で止めずに共有してください」
「完成してからではなく、途中で一度見せてください」

このように伝える。

期限だけでなく、途中確認のタイミングも共有する。

そこまでして初めて、上司と部下の「当たり前」がそろっていきます。

管理職が見直したい3つのこと

部下が期限を守らないとき、管理職が見直したいことは3つです。

1. 自分の当たり前を前提にしない

まず、
「期限を守るのは普通」
で終わらせないことです。

もちろん、期限を守ることは大事です。

ただ、その大事さが部下に同じように伝わっているとは限りません。

自分の常識だけで部下を評価する前に、何が伝わっていないのかを見る必要があります。

2. なぜその期限なのかを伝える

期限だけでなく、理由を伝えることです。

その後、誰が何に使うのか。
遅れると何に影響するのか。
なぜその日である必要があるのか。

ここまで伝える。

期限の理由が分かると、部下は優先順位をつけやすくなります。

3. 相談するタイミングまで共有する

「遅れそうなら言って」だけでは、相談が遅れることがあります。

どの状態なら相談するのか。
いつ途中確認するのか。
完成前に何を見せてほしいのか。

ここまで共有する。

そうすれば、部下も動きやすくなります。

上司も、直前になって慌てずに済みます。

おわりに

部下が期限を守らないと、上司としては腹が立つこともあると思います。

何度言えば分かるのか。
なぜ早めに相談しないのか。
期限を守るのは当たり前ではないか。

そう感じるのは自然です。

ただ、部下が期限を守らない理由は、本人の意識だけとは限りません。

上司と部下の間で、
「期限」に対する常識や当たり前がズレている。
その可能性があります。

上司にとっては当然でも、部下にはその重みが見えていない。
上司は早めの相談を期待していても、部下は完成してから見せるものだと思っている。
上司は全体への影響を見ていても、部下は自分の提出日としてしか見えていない。

だからこそ、必要なのは注意だけではありません。

なぜその期限なのか。
遅れると誰に影響するのか。
どの時点で相談するのか。
完成前に何を見せてほしいのか。

ここまで伝えることです。

期限を守ることは大事です。

でも、守らせる前に、まずお互いの当たり前をそろえる。

そこから、部下の動きは変わり始めます。


個別オンライン相談のご案内

部下が期限を守らない。
何度言っても直前報告になる。
自分の当たり前が部下に伝わらず、関わり方に悩んでいる。

そんな管理職の方へ、個別オンライン相談を行っています。

今回のような「期限の伝え方」だけでなく、任せ方、部下との信頼関係、注意や指導の仕方、部下が受け身になる悩みなど、現場で起きている問題を解消するための進め方を一緒に考えます。

一人で抱え込んで同じ悩みを繰り返す前に、今の状況を一度相談してください。

お申し込みはこちら
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScz_G9_HgWNbIpgkAnvamET-2LEOpuRt-2eXcLiBBwXHBjOLw/viewform?usp=header

コメント

タイトルとURLをコピーしました