あなたの部下が指示待ちな理由

コミュニケーション

はじめに

部下がいつも受け身に見える。

言われたことはやる。
期限も守る。
依頼したものも出してくる。

でも、自分で考えて動かない。
こちらが言わないと動かない。
毎回「次はどうしますか?」と確認してくる。
指示された範囲から、なかなか一歩先に進まない。

そんな部下に、もどかしさを感じることはないでしょうか。

上司としては、こう思うかもしれません。

「やり方は伝えた」
「期限も伝えた」
「必要なアウトプットも伝えた」
「本人も分かりましたと言っていた」

それなのに、なぜ動かないのか。

正直、疲れますよね。

毎回こちらから言わないといけない。
もう少し先を読んで動いてほしい。
自分で判断してほしい。
言われたことだけで終わらないでほしい。

そう思うほど、つい
「主体性がない」
「考える力が足りない」
「受け身すぎる」
と感じてしまう。

でも、ここで一度考えたいことがあります。

部下が受け身なのは、本当に本人の姿勢だけが原因なのでしょうか。

もしかすると、
その仕事の目的が、部下に伝わっていない
のかもしれません。

部下は、本当に主体性がないのか

部下に仕事を任せるとき、多くの上司はこの3つを伝えます。

やり方。
期限。
必要なアウトプット。

これはもちろん大切です。

何をすればいいのか。
いつまでにやるのか。
どんな形で出せばいいのか。

ここが曖昧だと、部下は動けません。

ただし、この3つを伝えたからといって、部下が主体的に動けるとは限りません。

なぜなら、部下からすると、まだ分からないことがあるからです。

「なぜ、この仕事が必要なのか」
「何のためにやるのか」
「この仕事は、どこにつながるのか」
「自分は何を考えながら進めればいいのか」

ここが抜けていると、部下は言われたことをこなすだけになりやすいです。

上司は「任せた」と思っている。
でも部下は「作業を振られた」と受け取っている。

このズレがあると、部下は主体的に動きにくくなります。

やり方だけを伝えると、部下は作業者になる

仕事には、手順通りに進めれば終わるものもあります。

でも、多くの仕事には判断が必要です。

どこまで確認するのか。
どの情報を優先するのか。
誰に相談するのか。
どのレベルまで仕上げるのか。
想定外のことが起きたとき、どう動くのか。

こうした判断は、やり方だけではできません。

判断するためには、目的が必要です。

何のためにやっているのかが分かれば、部下は考えやすくなります。

お客様に早く判断してもらうためなのか。
上司が次の意思決定をするためなのか。
チーム内の認識をそろえるためなのか。
ミスや手戻りを防ぐためなのか。
次の提案につなげるためなのか。

目的が分かると、部下は自分で考える余地を持てます。

逆に、目的が分からなければ、指示された範囲から出にくくなります。

勝手に判断していいのか分からないからです。

だから、部下が受け身に見えるとき、まず疑うべきは本人のやる気だけではありません。

上司の任せ方が、作業指示で止まっていないか。

ここを見る必要があります。

「分かりました」は、目的まで分かったとは限らない

部下に仕事を依頼したとき、

「分かりました」

と返ってくる。

上司としては、そこで安心します。

でも、その「分かりました」は、何を分かったのでしょうか。

やることは分かった。
期限は分かった。
出すものは分かった。

でも、目的までは分かっていない。

こういうことは普通にあります。

だから、予定外のことが起きると止まる。
少し迷うと確認する。
判断が必要になると、指示を待つ。

上司からすると、受け身に見える。

でも部下からすると、
「勝手に動いていいのか分からない」
「どこまで判断していいのか分からない」
「何を優先すべきか分からない」
という状態かもしれません。

これは、本人の意識の問題だけではありません。

仕事の目的や判断の軸が、十分に伝わっていないことで起きる場合があります。

目的が分かると、部下は考え始める

たとえば、部下に資料作成を依頼するとします。

「このフォーマットで、金曜までにまとめておいて」

これだけだと、部下はフォーマットを埋めることに意識が向きます。

もちろん、それで必要最低限の資料は出てくるかもしれません。

でも、期待しているものとズレることもあります。

一方で、こう伝えたらどうでしょうか。

「来週の会議で、判断材料に使います。特に比較しやすさを重視したいので、違いが一目で分かるように整理してください」

この場合、部下は考えやすくなります。

単に資料を作るのではなく、判断材料として使われる。
だから、見やすさや比較のしやすさが大事になる。

目的が分かると、仕事の質が変わります。

部下が主体的に動くかどうかは、気合いだけの問題ではありません。

何のためにやるのか。
何を大事にすればいいのか。
どこまで考えていいのか。

そこが見えたときに、部下は考え始めます。

主体性は、気合いでは生まれない

部下に主体的に動いてほしい。

そう思う管理職は多いです。

ただ、主体性は気合いで生まれるものではありません。

「もっと主体的に動いて」
「自分で考えて」
「言われる前に動いて」

そう伝えても、部下は動きにくいです。

なぜなら、何を基準に考えればいいのかが見えていないからです。

主体的に動くには、判断の軸が必要です。

この仕事は何のためにあるのか。
何を大事にすればいいのか。
どこまで自分で判断していいのか。
どこから相談すべきなのか。

ここが分かるから、部下は自分で考えられます。

つまり、主体性は「本人任せ」にしても出てきません。

上司が、考えるための前提を渡す必要があります。

任せるときに伝えるべきこと

部下に仕事を任せるとき、細かく説明しすぎる必要はありません。

ただ、最低限伝えたいことがあります。

それは、次の3つです。

何のためにやるのか。
なぜ、その部下に任せるのか。
どこまで判断していいのか。

この3つがあるだけで、部下の受け取り方は変わります。

「この資料を作ってください」

よりも、

「来週の会議で判断材料に使います。現場の状況を一番分かっているあなたに、まず整理してほしいです」

の方が、部下は考えやすい。

「やっておいて」

よりも、

「方向性は途中で一度確認しますが、細かい整理の仕方は任せます」

の方が、動きやすい。

部下に必要なのは、自由に放り出されることではありません。

考えるための前提を渡されたうえで、任されることです。

おわりに

部下が受け身に見えるとき、つい本人の姿勢を疑いたくなります。

自分で考えない。
言われたことしかやらない。
もっと主体的に動いてほしい。

そう感じることはあると思います。

でも、部下が受け身なのは、本人だけの問題とは限りません。

やり方は伝えた。
期限も伝えた。
必要なアウトプットも伝えた。

それでも、仕事の目的が伝わっていなければ、部下は指示された範囲で動くしかありません。

なぜこの仕事が必要なのか。
何につながるのか。
どこまで考えて進めればいいのか。
なぜ自分に任されたのか。

ここが見えると、部下の動き方は変わります。

主体性は、気合いで生まれるものではありません。

意味が分かったときに、発揮されるものです。

あなたのその指示は、大丈夫でしょうか。

やり方だけを伝えて、終わっていないでしょうか。
期限だけを伝えて、終わっていないでしょうか。
アウトプットだけを伝えて、終わっていないでしょうか。

部下に主体的に動いてほしいなら、まず伝えるべきは業務の目的です。

そこから、部下の受け身は変わり始めます。


個別オンライン相談のご案内

部下が受け身で、自分から動いてくれない。
指示を出しても、言われたことしかやらない。
任せたつもりなのに、結局こちらが細かく確認し続けている。

そんな管理職の方へ、個別オンライン相談を行っています。

今回のような「指示の出し方」だけでなく、任せ方、部下との信頼関係、注意や指導の仕方、部下が本音を出さない悩みなど、現場で起きている問題を解消するための進め方を一緒に考えます。

一人で抱え込んで同じ悩みを繰り返す前に、今の状況を一度相談してください。

お申し込みはこちら
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScz_G9_HgWNbIpgkAnvamET-2LEOpuRt-2eXcLiBBwXHBjOLw/viewform?usp=header

コメント

タイトルとURLをコピーしました