はじめに
新任リーダーとしてチームを率いる中で、「どうやって信頼を得るか」「チームメンバーに頑張ってもらうにはどうすればいいのか」と悩むことはありませんか?
この問いに対して、ある種のリーダーシップは一見「簡単で効果的」に見えるかもしれません。しかし、その方法が本当に正しいのか、チーム全体にとって持続可能なのかを見極めることが大切です。
今回は、実際に私が目にした、よくある「誤ったリーダーシップ」の事例をご紹介します。この事例を通じて、正しいリーダーシップを考えるヒントをお伝えします。
一見効果的に見える間違ったリーダーシップ
私が過去に見てきたあるリーダーは、非常にカリスマ性があり、チームメンバーから絶大な信頼を得ていました。その結果、チームは非常に強固な絆で結ばれていました。しかし、その手法には大きな問題がありました。
そのリーダーは現場想いで、メンバーを守ることを何よりも優先しました。ただ、会社や上司の方針が現場にとって負担が大きいと判断すると、その方針を現場に下ろさないという選択をしていました。そしてメンバーに対しては、「自分が皆を守っている」と伝え続けることで、会社や上司を敵に見立て、自分をヒーローとして位置づけたのです。
このような方法で築かれた信頼関係は一見強固に見えますが、実際には組織全体の目標と乖離し、チーム全体の成長を妨げる結果となります。
よくある危険な兆候—あなたもしていませんか?
この事例は極端に思えるかもしれませんが、似たような状況はどの職場でも起こり得ます。例えば、次のような言い回しを使ったことはありませんか?
- 「自分はそうは思っていないけど、会社が言っているから。」
- 「自分は〇〇と伝えたけどね。」
- 「会社が〇〇しろと言っているんだ。」
これらの発言は、一見無難に問題を切り抜けるように思えるかもしれません。しかし、これを繰り返すと、結果的にあなた自身がリーダーとしての信頼を失うだけでなく、組織全体の連携を損ねる可能性があります。
正しいリーダーシップを考える
リーダーとして、時にはメンバーにとって耳が痛い話をする必要があります。これは決して容易なことではありませんが、リーダーの役割は、会社の方針やビジョンを伝え、チーム全体が同じ方向を向けるように導くことです。
そのためには、次のようなアプローチが有効です:
- 自分の意志を示す: 「会社が言っているから」ではなく、「私がこの方針に賛同している理由」を伝えましょう。
- 透明性を保つ: 難しい方針であっても、その背景や意図を正直に説明し、メンバーの理解を得る努力をしましょう。
- メンバーの意見を尊重する: 方針を押し付けるだけでなく、メンバーの意見や感情に耳を傾け、対話を大切にしましょう。
おわりに
「簡単で効果的に見える」方法には、必ずしも正しい答えが隠されているわけではありません。リーダーシップとは、信頼を得るだけでなく、チーム全体の成長や組織全体の目標を実現するための責任を負うことでもあります。
もしこの記事を読んで、少しでも思い当たる節があれば、ぜひ自分のリーダーシップを振り返り、見直してみてください。それが、あなた自身とチームの未来をより良いものにする第一歩です。