はじめに
新任リーダーとして、あるいは管理職としての責務を担う中で、最も重要なスキルの一つは「メンバーの可能性を見出す力」です。部下の可能性を発掘し、その成長をサポートするリーダーシップは、チームの成功だけでなく、あなた自身の成功にも直結します。本記事では、リーダーが陥りがちな”見極め”と”決めつけ”の違いを紐解きながら、メンバーの可能性を引き出すための考え方やアプローチについて解説します。
“見極め”と”決めつけ”の違い
人には得意なこと、不得意なことがあります。新しいメンバーが加わったとき、その人が必ずしもあなたの期待通りのパフォーマンスを発揮するとは限りません。しかし、ここで重要なのは、その状況を冷静に分析し、課題を特定することです。
ただし、見極めることと決めつけることは大きく異なります。見極めとは、課された仕事に対しての適性や成果を評価することであり、それ以上の人格や能力、人間性を安易に判断することではありません。
例えば、次のような行動は避けるべきです。
- 「あの人は〇〇な人」と、性格や能力をラベル付けする。
- チーム内での評価基準を、決めつけに基づいて優劣をつける。
- コミュニティ全体で固定観念を広める。
これらの行動は、メンバーのモチベーションを下げるだけでなく、チーム全体の成長を阻害します。
視野を広げたリーダーシップ
リーダーとして、メンバーの可能性を引き出すためには視野を広げる必要があります。以下のような問いを自問してみてください。
- 課す役割や仕事を変えたらどうなるのか?
- 他のリーダーの下に配属したら、異なる結果が出るのか?
- 本人が本当に得意なことや情熱を持っている分野は何か?
- 誰も気づいていない、その人の隠れた一面や才能はないか?
時には、チームの枠を超えて考えることも重要です。あるメンバーが現チーム内では十分に力を発揮できていない場合でも、他の部署や異なる環境で輝く可能性があります。私自身、過去にメンバーへ転職を勧めた経験もあります。それがその人の人生をより良い方向へ導くと確信したからです。
リーダーの責務と覚悟
「チームメンバーの人生を背負う覚悟」。これこそが、リーダーが持つべき重要な姿勢と私は考えてきました。あなたのリーダーシップが、メンバーのキャリアや人生に直接影響を与える場面は少なくありません。
リーダー職の本質は、単に業務を管理するだけでなく、メンバーの成長を支え、その可能性を引き出すことです。これは簡単なことではありませんが、それだけにやりがいのある役割です。
おわりに
リーダーとしての役割をどう定義し、取り組むかはあなた次第です。せっかく得たリーダー職の機会を活かし、メンバーの可能性を見出す視点を持ち続けてください。その視点は、あなた自身の成長にもつながります。
リーダーとしての在り方を見つめ直し、メンバーの人生に新たな可能性を示す力を磨いていきましょう。それが、あなたのリーダーシップの真価を発揮する鍵となります。