「任せる=自由」だと思っていませんか? 部下が動けなくなる“任せる”の落とし穴

コミュニケーション

はじめに

リーダーになってまだ日が浅いあなたへ。
「これでいいのかな?」「なんか空回りしてるかも」
そんな感覚、ふとした瞬間に抱くことはありませんか?
真面目で責任感が強い人ほど、がむしゃらに頑張るからこそ見失いやすい“落とし穴”があります。

そんなあなたに、今日のメッセージです。


自由なはずなのに、なぜか部下が動けない

部下に仕事を任せるとき、こんな言葉をかけていませんか?

「任せるから自由にやってみていいよ」
「好きにやってごらん」

一見、自由で寛容な声かけ。
でも、それが逆に部下を不安にさせ、動けなくしている可能性があります。


自由よりも「枠」がある方が、人は動きやすい

例を挙げます。以下の2つ、あなたならどちらが頑張れそうですか?

  1. 「制限時間もルールもないので、自由に自己紹介してください」
  2. 「3分で、あなたの経歴を交えて自己紹介してください」

または…

  1. 「今月の経費運用は任せるけど、なるべくおさえてね」
  2. 「今月の経費運用は3万円以内でおさえてね」

多くの人は②のように“制限や基準がある”方が、むしろ安心して考えたり工夫したりできます。
なぜなら「ゴールが見える」「条件が分かる」から。


部下が動けないのは「不自由」だからではない

実は、自由すぎる指示こそが不自由を生みます。
「何をやってもいい」と言われた部下は、どうしても正解がわからず動けなくなります。
不安だからです。「どこまでがOKか」「どう進めたらいいか」が見えないからです。


良かれと思った“任せ方”が、逆効果かもしれない

あなたが「信じて任せてる」つもりでも、部下からすると

「何をどうすればいいのか分からない」
「これで合ってるのかなと不安」

という状態になることがあります。
部下の成長を願っての“やさしさ”が、知らず知らずのうちに不安の原因になっているかもしれません。


明日からはじめること

任せ方をちょっとだけ工夫してみましょう。

  • 「この部分だけは守ってね」と、任せる中に“枠”をつける
  • 「今月のゴールはこれ」と、目的や評価基準を伝える
  • 「ここまで考えたら一度相談して」と、途中確認のタイミングを明確にする

こうした一言が、部下にとっては大きな“安心”になります。
安心があるから、行動できます。
行動できるから、成長します。


おわりに

「任せる=自由にやらせる」ではありません。
本当に任せるとは、「相手が動きやすいように配慮すること」です。
制限の中にこそ、工夫の余地と成長のチャンスがあります。

“何も決めていない”のではなく、
“あえて枠をつくる”こともまた、リーダーの大事な仕事です。

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