はじめに
部下の前では弱音を吐いちゃいけない。
ミスもしちゃいけない。
いつも正しい判断をし続けなきゃいけない。
リーダーになった瞬間、
そんな“見えないドレスコード”を背負ったように感じていませんか。
- しんどくても顔には出さない
- 分からなくても「分からない」と言えない
- 本当は不安なのに、平気な表情でやり過ごす
もし、これを読みながら
「自分のことだな…」と少しでも思ったなら。
あなたは、相当真面目で、責任感の強いリーダーです。
そして同時に、けっこう自分を追い込みがちなタイプでもあります。
本当は「分からないこと」だらけなのに
現実の仕事って、きれいな正解があることの方が少ないですよね。
- この方針で本当に合っているのか
- この判断は、部下にどう影響するのか
- 売上だけ見ていいのか、メンバーの負荷も見るべきか
どれも「これが唯一の正解です」と言い切れるものではありません。
それなのに、リーダーはどこかで、
「分かっていない自分を見せちゃいけない」
と思い込んでしまう。
だから、心の中ではモヤモヤしていても、
表面上はこう振る舞ってしまうんです。
- 「大丈夫、大丈夫」と平気なフリ
- 「こうに決まってる」と分かっているフリ
- 「問題ないよ」と感情を殺して笑ってみせる
その気持ち、よく分かります。
僕も同じことをたくさんやってきました。
でも、これをずっと続けていると、
**いちばん先に壊れるのは、仕事でもチームでもなく“あなた自身”**です。
「弱音を見せないリーダー」が抱えるしんどさ
弱音を見せないリーダーは、一見かっこよく見えます。
でも、裏側ではこんなことが起きがちです。
- しんどくても誰にも頼れない
- 不安を誰にも打ち明けられない
- ミスしても自分の中で抱え込んでしまう
結果として、
チームのために頑張っているつもりが、
気づいたら 心と身体がすり減っている ことも少なくありません。
そしてもう一つ、
実は部下側にもこんな副作用が起きます。
- 上司が「いつも完璧」に見える
→ 部下は「自分の弱さや失敗は見せられない」と感じる - 上司が弱さを出さない
→ 本音の相談がしづらくなる - 上司が全部決めてくれる
→ 部下は“考える前に様子を見る”ようになる
つまり、
リーダーが“完璧なフリ”をすればするほど、
チームの本音もチャレンジも閉じていくんです。
完璧であることより、「ごめん、助けて」と言えること
じゃあ、どんなリーダーだとチームは強くなるのか。
それは、
「ごめん、助けて」と言えるリーダーです。
- 「ここは自分だけじゃ判断しきれないから、一緒に考えてほしい」
- 「この分野はあなたの方が詳しいから、力を貸してほしい」
- 「正直ちょっと不安なんだけど、一緒にやってくれる?」
こんなふうに言える上司に対して、
部下はどう感じるか。
「この人、頼りないな」とはあまり思いません。
むしろ、
- 「信頼されている」
- 「一緒にチームをつくっている感じがする」
- 「自分の出番がある」
と感じることの方がずっと多いです。
弱さを見せることは、無能さの証明ではなく、「信頼のサイン」です。
弱さを見せられるリーダーのところに、本音が集まる
弱さを出せるリーダーのところには、
部下の“本音”が集まります。
- ちょっとした違和感
- 小さなミスの芽
- 困っているお客様の声
- 現場で起きている「これ、まずくないですか?」
こうした情報は、
「完璧な人」に対しては届きません。
だって、
「こんなこと相談したら、レベルが低いと思われるかも」
「こんなこと報告したら、怒られるかも」
と部下が感じてしまうから。
一方で、
自分の弱さもちゃんと認められるリーダーは、
「失敗してもまずは話を聴いてくれそう」という安心感がある。
その安心感が、
**トラブルの早期発見や、チームの成長の“種”**を集めてくれるんです。
今日ぐらいは「ちゃんとしなきゃ」をお休みしてみる
もちろん、
リーダーとしての責任から逃げていい、という話ではありません。
でも、
24時間365日「ちゃんとしなきゃ」と自分を締めつけ続ける必要はない、
という話です。
今日ぐらいは、こう自分に言ってあげてください。
「ここまで頑張ったし、まあいいか」
- 100点じゃなくていい
- 完璧な上司じゃなくていい
- ちゃんとできない日があってもいい
それでもちゃんと、
あなたは毎日チームのために考えて、動いています。
「止まらずに、やりきろうとしている自分」
そこは、ぜひ自分で認めてあげてほしいところです。
おわりに
部下の前で弱音を吐いちゃいけない。
ミスもしちゃいけない。
いつも判断しなきゃならない。
そうやって自分を追い込んできたあなたへ。
完璧じゃないリーダーで、大丈夫です。
むしろ、完璧じゃないリーダーの方が、
人は「一緒に頑張りたい」と思えることが多いものです。
弱さを見せられる人に、人は本音で向き合えます。
その関係が、チームを静かに、でも確実に強くしていきます。
今日は少しだけ、
自分を許してあげてください。
そして明日も、完璧じゃない“あなたのまま”で、チームの前に立ってください。
ご案内
1. Instagramで「等身大のリーダーシップ」を発信しています
部下との信頼関係づくりや、「ちゃんとしなきゃ」に潰れそうなリーダーの心の整理になる発信をしています。
スキマ時間で読める“考え方のヒント”として、ぜひフォローしてみてください。
👉 @akio.s_team_management_coach
2. 個別相談(オンライン60分・無料)
- 弱音を見せられず、一人で抱え込みがち
- 部下との距離感や伝え方に悩んでいる
- 「ちゃんとしなきゃ」と自分を追い込みすぎてしんどい
そんなリーダー向けに、オンライン30分の無料個別相談を行っています。
今のしんどさの正体を一緒に言語化し、
「どこから変えればラクになるか」を整理する時間です。
👉 お申し込みフォームはこちら
3. 研修のご依頼
新任管理職研修/リーダー研修/チームビルディング研修など、
「信頼関係をベースにしたマネジメント」をテーマにした研修を企業・団体向けに実施しています。
管理職経験25年の現場経験をもとに、
**“正論”だけでなく“現場で使えるリーダーシップ”**をお届けします。
👉 研修・講演に関するお問い合わせはこちら

コメント