成功するチームの条件:部下と共有する計画が鍵になる理由

マネジメント

はじめに

「PDCA」という言葉を聞いたことがない人はいないでしょう。Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)というフレームワークは、業務管理や品質改善において欠かせない考え方です。しかし、このPDCAをチームで実践する際、「Plan(計画)」をどのように立てるかが、成果を大きく左右することをご存じでしょうか?

今回は、計画段階で部下を巻き込むことの重要性と、その効果についてお話しします。特に新任リーダーの方にとって、チーム運営における新たな視点を提供できればと思います。


計画に部下を巻き込む重要性

一般的に、計画はリーダーが策定するものと考えられがちです。リーダーが視野の広さや経験値を活かして計画を立て、それを部下に指示する──この流れは確かに効率的です。しかし、このプロセスに部下を巻き込むことで、さらなる効果が得られることを私は経験してきました。

部下を巻き込むことで得られる5つの効果

  1. 当事者意識が芽生える
    部下が計画策定に関わることで、自分ごととして業務に取り組む姿勢が生まれます。「与えられた計画をこなす」から「自分が関わった計画を実現する」へと意識が変わります。
  2. 具体的かつ実現可能な計画が作れる
    現場の声を反映することで、現実的で実行しやすい計画が策定できます。リーダーだけで立てた計画では見落としがちな部分を補完することが可能です。
  3. 計画の理解度が高まる
    計画策定に関わることで、部下はその内容を深く理解します。その結果、計画通りに進む可能性が高まり、計画と現実との乖離が発生した際にも迅速に対応できます。
  4. 部下の成長を促す
    計画策定のプロセスに参加することで、部下は自身の視野やスキルを広げる機会を得られます。これは、次世代のリーダー育成にもつながります。
  5. チーム力の向上
    部下と一緒に計画を立てることで、チーム全体の一体感が高まります。これにより、より強固な信頼関係が築かれ、結果として計画の実現可能性が向上します。

部下を巻き込む「Plan」の具体例

実際に部下を計画段階に巻き込む際、以下のような工夫をすると効果的です。

  • 少人数から始める
    部下全員を巻き込むのではなく、最初は少人数で計画策定を進めます。慣れてくれば徐々にその参加人数を増やすことも視野にいれて良いでしょう。
  • 役割を明確にする
    計画策定の際、部下に特に任せたい範囲や役割(最初は得意な範囲から)をはっきりさせることで効果的な意見を引き出せると共に部下自身も貢献意欲が高まります。
  • 議論を活性化させる質問を用意する
    「この計画を実現するうえでの課題は何だと思いますか?」など、具体的な問いかけを行い、部下目線での意見を引き出すことで議論そのものを活性化させます。

明日からできること

今日から部下を計画策定に巻き込むために、以下のアクションを試してみてください。

  1. 次回の計画ミーティングに部下も参加してもらう
    部下数名を選び、計画策定のミーティングに参加させましょう。
  2. 具体的な役割を与える
    計画策定の段階から一部(スケジュール作成や課題抽出など)を部下に任せることで、主体的な参加を促します。
  3. 部下からの意見を尊重する
    部下が提案した内容をしっかり受け止め、フィードバックを行います。意見を尊重する姿勢が、次回以降の参加意欲を高めます。
  4. 小さな成功を共有する
    部下が関わった計画が成果を上げた際には、チーム全員でその成功を喜び合う場を設けましょう。

おわりに

リーダーとしての役割は、単に計画を立てて指示を出すだけではありません。部下を巻き込み、一緒に計画を進めていくことで、チーム全体の成長と成果を引き出すことができます。

部下とともに計画を作り上げるプロセスは、最初は少し手間がかかるかもしれません。しかし、その効果は計画策定において、そしてその実現可能性において、共に絶大です。ぜひ次の計画から、部下を巻き込むリーダーシップを試してみてください。それが、あなたのチームをより強くし、信頼されるリーダーへと導くはずです。

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