部下にどう思われているか。
嫌われていないか。
頼りなく見えていないか。
面倒だと思われていないか。
そんなことばかり考えてしまう管理職は、少なくありません。
そして、いつしか不安になる。
いつも焦る。
気を遣いすぎる。
そんな自分を情けなく思う。
「管理職なのに、こんなことで悩んでいていいのか」
「もっと堂々としていないといけないのではないか」
「部下に弱く見られているのではないか」
そう考えるほど、さらに自分が嫌になる。
でも、正直に言えば、しんどいですよね。
部下との関係をよくしたいと思っているのに、その気持ちが強いほど、言うべきことが言えなくなることもある。
ここに、管理職が見落としやすい分かれ道があります。
不安があること自体は、悪いことではない
まず大事なことを言います。
部下にどう思われているかが気になる。
そのこと自体は、悪いことではありません。
むしろ、相手をよく見ている人ほど、そうなりやすいです。
部下の表情が気になる。
言葉の温度が気になる。
反応の小さな変化が気になる。
関係が悪くなっていないか気になる。
それは、部下との関係を雑に扱っていない証拠でもあります。
本当に相手をどうでもいいと思っている人は、そもそもそこまで気にしません。
だから、あなたが不安になるのは、弱いからとは限らない。
部下との関係を大事にしたい気持ちがあるからこそ、不安になることもある。
ただし、ここからが大事です。
不安があることは悪くない。
でも、不安に判断を任せてしまうと、関係は深まりません。
不安が強くなると、言うべきことが言えなくなる
部下にどう思われているかが気になりすぎると、管理職の行動は少しずつ変わります。
本当は確認した方がいい。
でも、細かいと思われたくない。
本当は注意した方がいい。
でも、嫌われたくない。
本当は期待を伝えた方がいい。
でも、プレッシャーをかけていると思われたくない。
本当は任せ方を見直した方がいい。
でも、信頼していないと思われたくない。
こうして、必要な一言が後回しになります。
その結果、部下との関係を大事にしているつもりなのに、かえって関係が浅くなる。
なぜなら、部下からすると、上司が何を考えているのか分からなくなるからです。
上司は気を遣っている。
でも部下は、こう感じることがあります。
「結局、何を求められているのか分からない」
「どこまで任されているのか分からない」
「何が良くて、何が足りないのか分からない」
「本音で言ってくれている感じがしない」
つまり、上司の遠慮は、部下にとって安心になるとは限らないのです。
関係を大事にすることと、言うべきことを避けることは違う
ここは、はっきり分けた方がいいです。
部下との関係を大事にすること。
それは必要です。
でも、関係を壊したくないからと言って、言うべきことを避け続ける。
これは、関係を大事にしているようで、実は関係を弱くしていきます。
なぜなら、本当に信頼される関係には、耳あたりのいい言葉だけでは足りないからです。
必要なことを、必要なタイミングで伝える。
ただし、相手を雑に扱わない。
人格ではなく、行動や事実について話す。
一方的に決めつけず、相手の考えも聞く。
この積み重ねが、関係を強くします。
逆に、何も言わない関係は、一見穏やかに見えます。
でも、その穏やかさは、信頼ではなく遠慮で成り立っている場合があります。
上司が遠慮する。
部下も遠慮する。
お互いに本音を出さない。
表面上は問題がなさそうに見える。
でも、仕事の質は上がらない。
成長も鈍くなる。
期待も伝わらない。
これは、良い関係ではありません。
見直したいのは、不安そのものではなく「関わり方」
では、不安をなくせばいいのか。
そうではありません。
管理職として必要なのは、不安を消すことではなく、不安に振り回されない関わり方を持つことです。
部下にどう思われているかが気になる。
それは自然です。
ただ、その不安を理由にして、必要な会話を避けないこと。
ここが大事です。
たとえば、部下に改善してほしいことがあるなら、いきなり強く注意する必要はありません。
こんなふうに言えます。
「少し確認したいことがあります」
「責めたいわけではなく、今後のために整理したいです」
「今回の進め方について、私から見えていることを伝えてもいいですか」
「その上で、あなた自身はどう感じているかも聞きたいです」
こう言えば、相手を攻撃しなくても、必要な話はできます。
大事なのは、強く言うことではありません。
曖昧にしないことです。
関係を大事にしたいなら、言葉を弱めるのではなく、伝え方を丁寧にする。
ここを取り違えると、管理職はどんどん苦しくなります。
部下を大事にする人ほど、言うべきことから逃げない
その一方で、不安がある管理職には強みもあります。
相手の反応を見ている。
関係を壊したくないと思っている。
部下を雑に扱いたくないと思っている。
自分の言葉が相手にどう届くかを考えている。
これは、管理職として大切な感覚です。
問題は、その感覚を「言わない理由」にしてしまうことです。
部下を大事にしたいなら、必要なことを伝える。
ただし、相手の尊厳を傷つけるような言い方はしない。
期待を伝える。
ただし、押しつけにならないようにする。
改善点を伝える。
ただし、人格否定にしない。
確認する。
ただし、監視のようにしない。
このバランスが、管理職の関わり方です。
部下に嫌われないことをゴールにすると、関係は弱くなります。
部下に信頼されることをゴールにすると、必要な対話から逃げられなくなります。
ここは似ているようで、まったく違います。
明日から意識したい3つのこと
きれいごとで終わらせず、現場で使える形に落とします。
①「嫌われたくない」ではなく「何を伝える必要があるか」を先に考える
部下の反応を考える前に、まず論点を整理します。
今、伝える必要があることは何か。
確認すべき事実は何か。
放っておくと何が起きるのか。
部下の成長のために、何を言うべきか。
ここが曖昧なまま話すと、不安に引っ張られます。
まずは、自分の中で論点をはっきりさせる。
その上で、言い方を整える。
順番は、これです。
② 相手を責めるのではなく、事実と期待を分けて伝える
伝え方がきつくなる原因の一つは、事実・解釈・感情・期待が混ざることです。
たとえば、
「最近、責任感が足りないよね」
これは相手の人格に刺さりやすい言い方です。
そうではなく、
「昨日の報告が予定より遅れたことで、こちらの判断も遅れました。次回からは、遅れそうな時点で一度共有してほしいです」
この方が、相手も受け取りやすい。
管理職に必要なのは、相手を強く言い負かすことではありません。
仕事が前に進む言葉に変えることです。
③ 最後に、相手の考えも聞く
言うべきことを言ったら、それで終わりではありません。
「あなたはどう受け止めましたか」
「進める上で、何が難しかったですか」
「次はどう進めるのがよさそうですか」
この一言があるだけで、対話になります。
上司が一方的に正しさを押しつけるのではなく、部下も考える。
だから、関係を壊す注意ではなく、成長につながる対話になっていきます。
最後にあなたに問いたい
あなたは、部下にどう思われるかを気にしていますか。
それとも、部下の成長とチームの前進に必要な関わりを選べていますか。
この差は、小さいようで大きいです。
部下に嫌われない上司を目指すと、言葉は弱くなります。
信頼される上司を目指すと、言葉には責任が必要になります。
不安があることは悪いことではありません。
でも、不安を理由にして、必要な対話を避け続けると、部下との関係は深まりません。
部下との関係を良くしたい。
そう思うなら、まず見直すべきは「何を言うか」だけではありません。
どう関わるか。
どんな前提で向き合うか。
そして、何から逃げずに伝えるか。
管理職としての信頼は、そこから積み上がっていきます。
もし今この記事が響いたのなら
もし今この記事が響いたのなら、あなたの職場でも何かが起きています。
部下にどう思われているかが気になる。
嫌われたくなくて、言うべきことが言えない。
注意や指摘をすると、関係が悪くなりそうで不安になる。
でも、このままではいけないとも感じている。
こうした悩みは、性格の問題だけではありません。
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