部下に大きな変化を求める前に――小さな変化を見逃さない上司の習慣

マネジメント

はじめに

「部下の成長をもっと加速させたい」「チーム全体を底上げしたい」
そんな思いで日々働いている管理職の方は多いですよね。

しかし、つい“大きな成果”や“目に見える変化”ばかりを求めてしまい、その過程で起きている部下の小さな変化を見逃してしまうことはありませんか?

この“小さな変化”こそが、部下のやる気や自信を育て、やがて大きな変化につながるための土台です。
でも現場では、成果や数字へのプレッシャーが強く、小さな変化を拾う余裕がなくなってしまうことも少なくありません。

今回は、「部下に大きな変化を求める前に、小さな変化に気づく力を持とう」というテーマでお話しします。


部下に大きな変化を求めたくなる上司の心理

管理職として結果を出す責任がある以上、目標や数字を強く意識するのは当然です。
特に新任管理職の場合、自分の評価にも直結するため、短期間で“成果”を求める傾向が強まります。

その結果、部下を見る視点が「今の数字」「成果物の完成度」に偏ってしまい、プロセスの変化や小さな成長を見落としてしまうのです。

  • 「もっとスピード感を持ってほしい」
  • 「もっとレベルの高いアウトプットを」
  • 「もっと主体的に動いてほしい」

これらは確かに必要な期待ですが、それだけを求め続けると、部下は“常に足りない存在”として扱われている感覚を持ち、モチベーションを失ってしまいます。


小さな変化を見逃すことで失われる3つのもの

1. モチベーション

人は、自分の努力や成長を認めてもらえることで、やる気が高まります。
逆に、どれだけ頑張っても「まだ足りない」とだけ言われる環境では、モチベーションは急速に下がります。

2. 信頼関係

「この上司は自分のことを見てくれていない」と感じると、部下は本音を話さなくなります。
結果として、ホウレンソウが減り、必要な情報が上司に届かなくなります。

3. 成長の芽

大きな変化は、小さな成功体験の積み重ねから生まれます。
その芽を見つけ、育てるのは上司の重要な役割です。見逃せば、せっかくの可能性をつぶしてしまうことになります。


小さな変化に気づくための3つの視点

1. 興味関心を持つ

仕事の出来だけでなく、その人の人となり、背景、強み、弱みに興味を持つこと。
雑談や日常会話を通じて、部下の表情や口調の変化にも敏感になれます。

2. 観察習慣をつくる

毎日の挨拶やちょっとしたやり取りで、部下の様子を観察します。
例えば「今日は声が少し元気ないな」「報告のスピードが早くなったな」など、小さなサインを拾えるようになります。

3. 変化を言葉にして伝える

「昨日よりスムーズに進んでたね」「今日は落ち着いて対応できてたね」など、具体的な変化をフィードバックします。
この一言が、部下の自信を育てます。


小さなフィードバックが大きな変化を生む理由

  • 承認欲求を満たす
    認められることで「もっと頑張ろう」という意欲が高まります。
  • 自信が行動を変える
    小さな成功を重ねることで、「やればできる」という自己効力感が生まれます。
  • 信頼が自発性を育む
    上司が見てくれている安心感が、部下をより主体的に行動させます。

明日からできる実践ステップ

  1. 1日1回、部下の変化を褒める
    成果だけでなく、取り組み姿勢や工夫も対象にします。
  2. 週1回はチーム全体で良かった点を共有
    周囲からの承認も加わり、モチベーションが広がります。
  3. 定期的な1on1でプロセスを振り返る
    数字や成果物だけでなく、行動や考え方の変化を確認します。

おわりに

大きな成果は、一朝一夕で生まれるものではありません。
日々の小さな努力、小さな成長に気づき、それを認め続けることが、やがて部下を大きく成長させます。

明日から、ぜひ一人の部下に注目して「昨日と違う何か」を探してみてください。
その積み重ねが、あなたのチームを変えるきっかけになります。


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