リーダーになったばかりのあなた。
手探りで、でも一生懸命にやっている。
「部下の成長を支えたい」「関係性をもっとよくしたい」——そんな思いで、1on1にも真剣に向き合っていることでしょう。
でも、こんなふうに感じたことはありませんか?
- 「1on1で話はしているのに、部下の反応がいまいち」
- 「どうしても上から目線に聞こえてしまう気がする」
- 「部下との距離が縮まらない…」
そんなあなたに、今日のメッセージです。
はじめに
あなたは部下のことをよく見ている。
最近、疲れているようだ。何かモヤモヤを抱えているかもしれない。
だからこそ、上司として1on1の時間を取り、話を聞こうとする。
でもそのとき、ついこんなふうに話しかけていませんか?
- 「最近、元気がないようだけど?」
- 「疲れてるんじゃない?」
気づいたことをそのまま(あるいは少し言葉を選んで)口に出す。
悪気はないし、むしろ“ちゃんと向き合っている”証拠でもあります。
ただ、ここに1on1を「信頼の時間」に変えるかどうかの分かれ道があるのです。
視点を変える:「問いかけ」の工夫
上司が気になっていることを、あえて直接は聞かずに、
少し抽象度の高い問いを投げかけてみる。たとえば…
- 「最近、仕事で気になってることある?」
- 「前回話してから少し経ったけど、最近どう?」
すると部下は、もしかしたらこう答えるかもしれません。
- 「実は最近ちょっと疲れてて…」
- 「仕事が面白くなくて…」
そう、最終的に同じテーマに行き着くこともあります。
でも重要なのは、部下の口からそのテーマが出てくるということ。
この「出どころの違い」が、1on1の意味を大きく変えるのです。
主導権を“手放す”というリーダーシップ
同じ話題を取り上げていても、話の主導権が誰にあるかによって、部下の受け止め方は変わります。
- 上司から話題を出す → 「話を聞かれた」と感じる
- 自分から話題を出す → 「話を聞いてもらえた」と感じる
この違いが、信頼関係における“肌感覚”を大きく左右します。
「任せているつもりが、実は押しつけになっていた」
そんなすれ違いを防ぐためにも、1on1の中で、
上司が主導権をあえて手放すという姿勢が求められます。
おわりに
部下との関係づくりで何より大切なのは、
「自分が聞きたいことを聞く」よりも、
「相手が話したいことを話してもらう」環境を整えることです。
1on1を「伝える場」から「引き出す場」へ。
そのためには、問いかけの工夫と、主導権を渡す覚悟が必要です。
次の1on1ではぜひ、
“聞く”ではなく“引き出す”という視点を意識してみてください。
その小さな変化が、部下との信頼を深める大きな一歩になります。