部下を理解する前に、まず上司が“知ってもらう”努力を

マネジメントの基本

はじめに

「部下のことをもっと知りたい」 「なかなか本音を話してくれない」

そんなふうに感じたことはありませんか?

多くの新任管理職が、部下との関係構築に悩む中でまず取り組もうとするのが「部下を知ること」。 相手を理解しようと努力する姿勢自体は素晴らしいものです。

でも実はその前に、もっと大事なことがあります。 それは——

あなた自身を、部下に知ってもらうこと。

今回は、信頼関係の第一歩として、 「上司であるあなたが、部下に知ってもらう努力をすること」の重要性と、 そのためにできる具体的なアクションについてお話しします。


なぜ“知ってもらう努力”が必要なのか?

上司と部下の関係において、部下が「本音を話せる」「信頼できる」と感じるには、 **“心理的安全性”**が欠かせません。

でも、その心理的安全性は一方的な観察や理解だけでは生まれません。

部下が「この人には話しても大丈夫だ」と感じるためには、

  • 上司がどんな価値観を持っているのか?
  • どんな考え方で判断をしているのか?
  • どんなタイプの人なのか?

といった、“上司の人となり”がある程度見えている必要があります。

つまり、上司の側が「知ろうとする」だけではなく、 「自分を知ってもらう努力」も同じくらい大切なのです。


信頼は“開示”から始まる

人間関係において、信頼は一方通行では成立しません。

特に、役職や立場の違いがある上下関係の中では、 部下のほうが心を開くには時間がかかるのが当然です。

そんなとき、効果的なのが“自己開示”。

あなたが先に自分の考えや価値観を言葉にすることで、 部下は「この人はオープンだ」「話しても大丈夫そう」と感じ始めます。

たとえばこんな自己開示があります:

  • 自分の仕事観や大切にしていることを話す
  • これまで経験してきた失敗談や悩みを共有する
  • 「実は緊張してるんだよね」など感情を伝える

ポイントは、“強い上司”を演じる必要はないということ。 あなたの素直な姿勢が、部下の安心感につながるのです。


どうすれば「知ってもらえる」上司になれるか?

では、具体的にどんなアクションが「知ってもらう努力」になるのでしょうか。

① あいさつ+ひと言の積み重ね

「おはよう」に加えて「昨日の資料ありがとう、助かったよ」など、 感謝や関心の言葉をひと言添えるだけでも印象は変わります。

あなたの“人となり”は、毎日の小さな言葉ににじみ出ます。

② 雑談を通じた価値観の共有

「休日は子どもと出かけるのが楽しみで」 「昔、自分もミスばかりでさ…」

そんな何気ない話こそ、部下の安心感に繋がります。

③ 仕事の進め方や判断基準を言語化する

「自分はこういう理由でこの判断をしたよ」 「今はスピードより丁寧さを優先したい」

上司がどんな判断軸を持っているかが見えると、部下も納得しやすくなります。


「怖い上司」ではなく「わかる上司」に

上司が“わからない存在”だと、部下は不安になります。

  • 何を考えているかわからない
  • どこまで話していいかわからない
  • 何を期待されているかわからない

そんな不安の中で、本音を話したり自発的に動いたりするのは難しいですよね。

だからこそ、まずは自分をわかってもらうことが、信頼の第一歩なのです。


おわりに

「部下を知ろう」とする前に、「まず自分を知ってもらう」

とてもシンプルだけど、つい後回しになってしまうこの視点。

でも実は、これこそが信頼関係の入り口であり、 結果的に、部下との距離を縮め、チームの力を引き出す大きなきっかけになります。

上司であるあなたが少しずつ心を開いていけば、 必ず部下もそれに応えてくれます。

ぜひ今日から、「知ろうとする前に、知ってもらう」を意識してみてくださいね。


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