ホウレンソウをしてこない部下ではなく、ホウレンソウさせられない上司

マネジメント

はじめに

「最近、部下が全然ホウレンソウしてくれない…」
あなたも、そんなモヤモヤを感じたことはありませんか?

たとえばこんな場面——

  • 気づけば進捗が遅れていて、慌てて確認したら「実は数日前から問題があって…」と言われる。
  • 報告の必要がある内容なのに、終わってから事後報告だけ。
  • こちらから聞かないと何も出てこない。

そんな時、つい「もっとちゃんと報告してくれよ!」と、部下側に矢印を向けたくなります。
でも、少し冷静になって考えてみてほしいんです。
「ホウレンソウをしてこない部下」ではなく、「ホウレンソウさせられていない上司」になっていないか?

部下を知る努力も大事ですが、その前に上司である自分が、部下に「話しかけやすい存在」として知られているかどうか。
本記事では、その視点から原因と改善策をお伝えします。


部下がホウレンソウしないのは怠けではない

「ホウレンソウをしない=やる気がない」と考えてしまうのは危険です。
多くの場合、部下が報告を避けるのは“怠け”ではなく、“心理的なハードル”が原因です。

よくある背景は、次の通りです。

  1. ミスを責められる恐怖
    報告したら叱られる・責められるという経験があると、部下はリスクを避けます。
  2. 話しても意味がないと思っている
    「報告しても反応が薄い」「改善に繋がらない」と思えば、自然と足は遠のきます。
  3. 話しかけづらい雰囲気やタイミング
    上司がいつも忙しそう、表情が険しいなど、声をかけるだけで緊張する状態。
  4. 報告すべき基準が不明確
    何をどこまで報告すればいいのかわからず、「これは報告不要かな」と自己判断してしまう。

上司側にありがちな「ホウレンソウ阻害要因」

部下の心理背景に加え、上司側にも“阻害要因”が潜んでいます。
ありがちなのは次の4つです。

  1. 聞く姿勢がない/途中で遮る
    「それはこういうことでしょ」と結論を急ぐクセがあると、部下は話す気をなくします。
  2. 小さな報告にも過剰反応する
    ちょっとしたミスに表情が険しくなる、きつい口調になると、部下は報告=ネガティブな体験と学習します。
  3. 結論だけ求める
    「で、結果は?」だけで背景や経緯を聞かないと、部下は重要情報を省略しがちになります。
  4. ホウレンソウの基準が曖昧
    「何を・どのタイミングで・どのレベルまで」報告すべきかを共有していない。

ホウレンソウしやすい空気をつくる3つのポイント

ここからは、上司側が変わるための実践策です。

1. 日常的な関わりで心理的ハードルを下げる

挨拶や雑談、ちょっとした労いの言葉など、日常の接点を意識的に増やします。
「普段から話すことが多い人」には、部下も自然と声をかけやすくなります。

2. 報告の基準を明確にする

「こういう状況になったら必ず報告してほしい」という基準を共有することで、部下の迷いを減らします。
曖昧さをなくすだけで、報告頻度は上がります。

3. 反応はまず受け止める、評価は後

部下が勇気を出して話した時、まずは「ありがとう」「報告してくれて助かった」と受け止めましょう。
改善提案や指摘は、一呼吸置いてから。これだけで報告の心理的ハードルはぐっと下がります。


「知る努力」より「知ってもらう努力」を先に

部下のことを知ろうとする姿勢は素晴らしいですが、その前に自分を知ってもらう努力も忘れてはいけません。

  • 上司としての価値観
  • 何を大事にしているか
  • 判断や対応の基準

こうした情報をオープンにしておくと、部下は「この上司はこういう考え方なんだ」と理解しやすくなり、安心して情報を持ってきます。


おわりに

ホウレンソウは部下の義務ではありますが、それを機能させるのは上司の役割です。
「話しやすい」「聞いてもらえる」「意味がある」と部下が感じられる環境を整えること。
それが、報告・連絡・相談を活性化させ、チームの力を最大化します。

部下に矢印を向ける前に、まずは自分に矢印を向けてみましょう。
それが、信頼関係の第一歩です。


📩無料相談のご案内

「もっと具体的に相談したい」という方へ、1対1での無料相談を受付中です。
下記フォームよりお気軽にどうぞ。
▶︎ 無料相談はこちらから


📷Instagramではマネジメントのヒントを日々発信中

Instagram

📚研修依頼について

法人・団体様向けに、マネジメント研修のご相談も承っています。
詳細・ご相談はこちらのフォームよりどうぞ。

タイトルとURLをコピーしました