はじめに
新任リーダーとして部下の育成に悩む方にとって、「きく力」はぜひ身につけてほしいスキルのひとつです。
「きく力」の重要性については、これまでの投稿でもお伝えしてきましたが、今回はその「きく力」を実践するための具体的な方法をひとつご紹介します。
この方法は、私が部下に対して行ったトレーニングの中で偶然発見したものです。
※ここで言う部下とは、それぞれ20名ほどの部下を持つリーダークラスのメンバーです。
「褒める」を実践するトレーニング
「褒めることが大事」とよく言われますが、意外と実践できていない人が多いのが現実です。
そこで、私は部下8名に対して「褒める」をテーマにしたトレーニングを実施しました。
実施方法
- 8人で輪になって座る。
- 自分以外の7人の中から2人を選び、その人を具体的に褒める。
- 「なぜそこを褒めるのか?」「その根拠となるエピソードは?」を話す。
- 他のメンバーは自由に質問し、話を掘り下げることができる。
その場の雰囲気
褒める場なので、終始和やかで心地よい空間が生まれました。
また、褒められた側は単に褒められるだけでなく、他のメンバーからも関心を持たれ、質問を受けることで「自分が大切にされている」と実感できたようです。
このトレーニングを通じて、多くの気づきがありました。
2つの大きな発見
1つ目の発見
他の人をが褒める内容を聞く事で、その人の「素晴らしいところ」を改めて知ることができるということ。
普段一緒に働いている相手でも、意外と知らなかった良さがあるものです。
2つ目の発見
褒められた本人が、自分では気にも留めていなかった行動や「当たり前」と思っていたことが、他人にとっては「素晴らしい」と映ることに驚いていたこと。
つまり、「自分の価値」に気づく機会にもなったのです。
トレーニングの効果
当初の目的は、「褒めることの難しさ」や「褒められることによる感情の変化」を体感してもらうことでしたが、それ以上の成果が得られました。
・周囲が知らなかった「その人の良いところ」に気づくことができた。
・本人が気づいていなかった「自分の良いところ」を認識できた。
・チームとしての結束力が強まった。
まさに「きく力」を活用した実践的なトレーニングとなりました。
明日からできること
この方法は、新任リーダーでもすぐに実践できます。
・チームメンバー同士で「褒め合う場」を設ける。
・「なぜそれが素晴らしいのか?」を具体的なエピソードと共に伝える。
・お互いに質問し、さらに話を掘り下げる。
これだけで、チームの雰囲気が良くなり、メンバー同士の理解が深まります。
また、リーダー自身も部下の新たな一面を知る機会になり、1on1の際により深い対話ができるようになります。
おわりに
「きく力」には、
・部下を理解するための「聞く力」
・信頼関係を築くための「聴く力」
・部下の成長を引き出すための「訊く力」
の3つがあります。
今回のトレーニングは、そのすべてに触れるものとなりました。
そして何より、この方法は「新任リーダーだからこそ」実践してほしいものです。
この投稿が、あなたのリーダーとしての第一歩を後押しできれば幸いです。
応援しています!