「なんでこんなこともわからないんだろう」
「ちゃんと伝えたはずなのに…」
気がつけば、部下にイライラしている自分がいる。
そんな経験、ありませんか?
新任管理職として、チームを引っ張っていこうと頑張っているのに、部下との関係はうまくいかない。
自分なりに指示もしているし、声もかけている。
でも、なぜか伝わらない。伝わっていない。
もしかしたらそれ、あなたの「伝え方」だけではなく、そもそも“関係の築き方”にヒントがあるかもしれません。
【はじめに】
新任管理職として最も多くの方がつまずく壁。
それは「部下との関係性」です。
・距離感がつかめない
・話しづらそうにされる
・本音が引き出せない
・表面的にはうまくいってるけど、何か噛み合わない
こうした違和感やギャップは、日々のコミュニケーションで少しずつ広がっていきます。
今回のテーマは、まさにその“すれ違い”の正体と、どうすれば関係性を築き直せるかについて。
あなたが感じているモヤモヤの正体と、それを打開する考え方についてお伝えします。
【なぜ部下との関係はうまくいかないのか?】
一番多い原因は「相手の理解不足」ではなく、
「自分自身が、部下にどう見られているかを理解していないこと」です。
管理職になると、「部下に何かを伝える」「部下に動いてもらう」ことばかりに意識が向きがちですが、
その前に、「自分がどう見られているか」「どんな関係性になっているか」を丁寧に見つめる必要があります。
例えば、こんなケース。
- 指示を出したのに動かない部下
- フィードバックしたら黙り込む部下
- 会議で発言しない部下
これらは、単なるスキル不足ではなく、「上司であるあなたに対する信頼感」がまだ育っていないことのサインかもしれません。
【関係構築の出発点は「問いの質」】
では、どうやってその信頼関係を築けばよいのか。
私がよく研修やサポートでお伝えしているのは、「問いかけ」からスタートすることです。
ポイントは、“相手を知るため”ではなく、“自分を知ってもらうため”の問いかけです。
たとえばこんな風に問いかけてみてください。
- 「最近、何か困ってることない?」
- 「何か僕の言い方で、わかりづらいと感じたことある?」
- 「〇〇さんにとって、働きやすいってどんな状態?」
一見、相手の話を聞く姿勢ですが、実はこれらの問いを通して、
「私はあなたに関心を持っている」
「あなたの話をきちんと聞きたい」
「あなたと信頼関係を築きたい」
というメッセージを伝えているのです。
この“伝わっていない思い”を、行動で示すことが大切です。
【信頼関係は「伝えること」から始まる】
勘違いしやすいのですが、信頼関係は「仲良くなること」ではありません。
仕事上の信頼関係とは、
- 言ってることとやってることが一致している
- 困ったときに相談できる
- 意見を伝えても否定されない
こうした安心感が積み重なることで築かれていきます。
そのためには、まずはあなた自身が「部下にとって信頼できる存在」になる必要があります。
そしてそのスタートは、あなたから「伝えること」。
指示や注意ではなく、「あなたとどう関わりたいのか」を伝えることです。
【伝えたつもりでは伝わらない】
管理職になりたての頃、私は何度も「伝えたはずなのに」と思いました。
でも振り返ると、伝えたのは「内容」だけで、「思い」は伝えていなかったんです。
・なぜこの仕事を任せたのか
・どんな意図があるのか
・どういう期待を持っているのか
これらが抜け落ちていると、部下は“やらされ感”だけを受け取ります。
だからこそ、伝えるべきは「あなたの想い」。
その想いが伝わってこそ、部下はあなたの話に耳を傾けてくれます。
【おわりに】
部下との関係は、一朝一夕では築けません。
でも、日々のやりとりの中で、「あなたがどうありたいか」「どう関わっていきたいか」を伝え続けることで、
少しずつ関係は変わっていきます。
指示を出す前に、まずは「伝える」。
「どう働きかけるか」ではなく、「どう信頼されるか」に焦点を当ててみてください。
あなたの一歩が、チーム全体の空気を変えるきっかけになります。
そして、その変化は確実にあなた自身の働きやすさにもつながっていきます。
ぜひ、今日からできる一歩を。