部下を守る=優しくする、ではない
(守るとは、甘やかすことでも、代わりに背負うことでもない)
はじめに
「部下を守ってあげてね」
管理職になると、よく言われます。
でもこの言葉、現場に置き換えるとうまくいかないことも。。。
強く言えない自分は、守れていないのか
厳しくできない自分は、甘いのか
部下のミスをかばったら、それが守るなのか
……こうやって「守る」が、いつの間にか“優しさ”や“我慢”の話になっていく。
部下が上司の顔色をうかがい始めると、報告は遅れ、工夫は消え、改善が止まります。
それは部下の性格の問題ではありません。
多くの場合、上司側の「守る」の定義がズレたまま、職場の空気が整っていないだけです。
まず最初に整えるべき一手から、現場の言葉で整理します。
もちろん、優しさは必要です。
ただ、ここでこの言葉の解釈や定義について。
部下を守るとは、部下を“気持ちよくさせる”ことではありません。
守るとは、もっと現実的で、もっと泥くさい。
そして、上司にとっては「責任」の話です。
今日はこの話を、きれいごと抜きで整理します。
責める話じゃなくて、立て直す話です。
新任管理職あるある
これ、心当たりありませんか?(5つ)
1)「守るつもり」が、ただ“丸く収める”になっている
角が立つのが怖い。空気が悪くなるのが嫌。
だから、言うべきことを飲み込む。
その場は平和。でも、違和感が残る。
2)部下のミスを自分が全部かぶって、疲弊していく
「守らなきゃ」と思うほど、あなたが前に出る。
結果、部下は“痛み”を経験しない。学びが薄くなる。
そしてあなたは、ずっとしんどい。
3)評価の場面になると、言葉が濁る
「頑張ってるのは分かるんだけどさ…」
結局、何が良くて何が課題かが曖昧。
部下は納得できず、次の行動が変わらない。
4)周囲の雑音や“上の空気”に、じわっと引っ張られる
「あの子はまだ早い」
「扱いづらいって聞いてる」
誰かの一言が、あなたの見立てを揺らす。
気づけば“自分の目”で見なくなる。
5)部下が守りに入り、上司の顔色を見始める
確認が増える。報告が遅れる。無難なことしか言わない。
工夫が消える。改善が止まる。
上司の方が疲れていく。
これ、部下の能力の問題に見えやすい。
でも多くの場合、問題はそこじゃない。
「守る」の定義がズレたまま、空気が整っていないだけです。
部下にとって「守られている」と感じる瞬間は、別のところにある
部下が本当に欲しいのは、過保護でも、優しさの演出でもない。
多くの部下が内心で気にしているのは、こういうことです。
自分はちゃんと見てもらえているか
評価は“感覚”じゃなく事実でされるか
失敗したとき、見捨てられないか
挑戦しても大丈夫な場か
自分の未来は、この職場で明るいか
つまり、部下にとっての「守られる」は、
安心して力を出せる状態です。
逆に言うと——
上司がいくら優しくしても、この安心が整っていないと、部下は守りに入ります。
「怒られないように」
「評価を落とさないように」
「余計なことはしないように」
この状態は、部下の成長を止めます。
そしてチームの生産性を、静かに落とします。
「部下を守る」とは、結局この3つ
僕の結論はシンプルです。
部下を守るとは、だいたいこの3つです。
1)真正面から向き合う
守るって、距離を取ることじゃない。
向き合うことです。
言いにくいことを、言える。
空気が悪くなりそうな話を、逃げずに扱える。
部下にとって、これは強い安心になります。
「この上司は、私を放置しない」
この確信があるだけで、人は踏ん張れます。
2)力を引き出す(=成長の場を渡す)
守る=代わりにやる、ではありません。
守る=“任せられる場”を用意することです。
部下の成長機会は、〝任せられる場〟でしか得られない。
これは本当に現場の事実です。
守るとは、
部下からその場を奪わないことでもあります。
3)正当に評価する(ここが一番大事)
ここが欠けると、部下は報われない。
報われない人は、静かに意欲も気持ちも折れていく。
できていることは、できていると言う
課題は、課題として言う
好き嫌い/雑音/上の空気に流されない
守るとは、評価を通じて未来をクリアにしてあげることでもあります。
「雑音」に負けると、部下は顔色を見る
部下には“過去の評価”がついて回ります。
周囲の印象、貼られたレッテル、上位職の好き嫌い。
言語化されなくても、空気や雑音として漂う。
そして上司がそれに引っ張られた瞬間、部下は学びます。
「結局、頑張っても空気や印象で決まる」
「挑戦しない方が安全」
「上司の反応を見ておこう」
これが、上司の顔色を見る文化を作ります。
部下が悪いんじゃない。構造がそうさせる。
だからこそ上司の役割は、
雑音や権力に流されずに、フラットに扱うことです。
明日からできる「守る=責任」を形にする一手
精神論の話にしたくないので、現場で使える形に落とします。
まずはこの5つのどれか1つでOKです。
1)「見てる」を、具体で返す
「どこが良かったか」を短く言う。
2)課題は“人格”じゃなく“行動”に置く
「この場面では…」にする。
3)評価は“空気”じゃなく“事実”で言い切る
事実に戻す。
4)任せるときは「最後は支える」を言葉にする
「任せたよ。うまくいかなかったら一緒に直そう」
5)雑音があるほど、あなたの“基準”を先に宣言する
「私は〇〇を評価する」と言う。
小さくても積み上がると、空気が変わります。
ゆっくりと、でも確実に。
もし今この記事が響いたのなら
もし今この記事が響いたのなら、あなたの職場でも何かが起きています。
部下との関係やチームづくりの悩みは、知識や経験不足とは限りません。
状況が把握できず絡まっているだけかもしれません。
無料:15分の状況整理セッションでは、状況を整理し、明日からの一手を1つお渡しします。
▶ 申込フォーム:https://forms.gle/kKe5V9CGkh8172ZX7
※売り込み目的ではありません。必要な方にだけ、選択肢としてご案内します。
おわりに
部下を守る=優しくする。
それだけだと、守れないことがあります。
守るとは、
真正面から向き合い、成長の場を渡し、正当に評価すること。
優しさではなく、責任です。
最後にあなたに質問です。
あなたの「守る」は、部下の未来につながっていますか?
それとも、“その場を丸く収める”に寄っていませんか?
一度だけ、問い直してみてください。
ご案内
① 新任管理職向けの単発セミナーも開催しています(ストアカ)
https://www.street-academy.com/online/all?search=%E6%96%B0%E4%BB%BB%E7%AE%A1%E7%90%86%E8%81%B7&trigger=keyword_search_class
② Instagram(エンゲージメントの高いチームのヒントを発信)
https://www.instagram.com/akio.s_team_management_coach
③ 個別相談(オンライン60分・無料)
https://forms.gle/58F61etARKB6SJ8F7

コメント