上下関係ではなく、信頼関係で部下を動かすということ

マネジメントの基本

立場ではなく“人としての関係性”が、チームの原動力になる

「上司だから従う」はもう古い

上司として部下に指示を出す。
やるべきことを明確に伝える。
結果を出してもらうために、責任を持ってマネジメントする。

もちろん、これは上司の当然の役割です。

でも、その伝え方や接し方がどこか
「上司と部下」という立場の上下だけに依存してしまっているとしたら——
その関係は、いずれ行き詰まります。

「ちゃんと指示したのに動かない」
「やる気が感じられない」
「言葉が届かない」

こういった状態に陥る多くのチームは、
「立場」ではなく「関係性」が機能していないことがほとんどです。


指示は届いているのに、動かないのはなぜ?

上司としての立場で、正論を語り、論理的に説明し、役割としての責任を果たしている。
それでも、部下の動きが鈍かったり、やる気が感じられないとき。

それは多くの場合、“内容”が悪いのではなく、“関係性”が足りていないからです。

人は、立場や肩書では動きません。
「この人のために頑張りたい」と思える関係性があって、初めて自ら動こうとします。

たとえ正しいことを言っていたとしても、
信頼関係がなければ、「自分ごと」にならないのです。


「上司として」接する前に、「人として」向き合う

大切なのは、上司部下という役割を超えて、“人対人”で向き合うこと。

  • 普段の声のトーン
  • 目線の高さ
  • 日常のちょっとした気づきや声かけ
  • 「部下を知ろう」とする姿勢

こういった細やかなふるまいが、
「この人はちゃんと見てくれている」
「自分のことを気にかけてくれている」
という安心感を生み、信頼へとつながっていきます。

そして、その信頼こそが、
「言われたからやる」ではなく「一緒に頑張ろうと思える」関係をつくる土台になるのです。


信頼関係で動くチームは、圧倒的に強い

信頼関係があるチームには、次のような空気があります:

  • ミスや失敗をしても、必要以上に責められないという安心感
  • お互いに声をかけやすく、相談や報告が自然に生まれる関係性
  • 指示される前に自分から動く「自律的な姿勢」
  • 「上司だから」「部下だから」といった壁のないオープンなコミュニケーション

これらは、ルールや制度ではつくれません。
日々の小さな信頼の積み重ねでしか、つくれないのです。


上司という立場を、信頼という土台で活かす

誤解してはいけないのは、
「信頼関係があれば、上司としての厳しさは要らない」という話ではありません。

必要な時には、方向性を示し、叱るべき場面では伝えるべきことをしっかり伝える。
それができるのも、信頼関係があるからこそです。

信頼されている上司の言葉は、たとえ厳しくても届きます。
反対に、信頼がない状態での正論や注意は、ただの“圧”として受け止められてしまう。

だからこそ、
「まず信頼関係を築く」→「そこに上司としての指導を重ねる」
という順番が何よりも大切なのです。


おわりに

上司だから言うことを聞く、
部下だから従うべき。

こうした考え方は、もう通用しない時代です。
働き方も価値観も多様化した今、
「この人となら一緒に働きたい」と思える関係性がなければ、
人は本当には動きません。

信頼される上司とは、
指示が上手い人ではなく、関係性を築ける人。

まずは、役割や立場を脇に置いて、
目の前の部下を「ひとりの人」として見つめることから始めてみませんか?


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