はじめに
部下から相談されたとき、ついこう反応していませんか?
- 「それなら、こうすればいいよ」
- 「正解はね、こう」
- 「結論から言うと…」
悪気はない。むしろ優しさです。
早くラクにしてあげたいし、迷わせたくない。
でも、ここに落とし穴があります。
部下が求めているのは“回答”ではなく“共感”
(=「分かってもらえた」という安心)
このズレが続くと、部下は相談しなくなり、チームは静かに止まっていきます。
今日はこの話を、できるだけ現場の言葉でまとめます。
新任管理職あるある(まず共感パート)
これ、心当たりありませんか?(5つ)
- 相談されるたびに「早く答えなきゃ」と焦る
沈黙が怖くて、会話の隙間を“正解”で埋めにいく。 - 部下の話を聞きながら、頭の中で解決策を組み立てている
相手の感情より、原因分析に意識が飛ぶ。 - 「結局どうしたいの?」と詰めてしまう
整理のつもりが、部下には“責められた”に聞こえる。 - アドバイスしたのに動かないと、内心イラッとする
「言ったよね?」が喉まで出る。 - 相談の回数が減って「最近あの子静かだな…」となる
問題が減ったんじゃなく、言わなくなっただけかもしれない。
「回答で満足する上司」と「共感で満足する部下」
上司側は、答えを出せるとホッとします。
「役に立てた」感があるし、管理職っぽい。
一方で部下側は、答えより先にこう願っています。
- 「この状況、分かってもらえた…」
- 「否定されなかった…」
- 「私の気持ち、置いてけぼりじゃなかった…」
つまり、部下にとっての“満足”は、解決より先に安心なんです。
だから極論、上司が完璧な回答を出しても、
共感がないと部下はこう感じます。
- 「正論は分かっているんだけど…」
- 「私の話、聞いてた?」
- 「相談して損したかも」
常にこうとは限りませんし、「良いアドバイスきけた!」と
満足する場合もありますが
意外と上記のようなズレは現場では普通に起きています。
あなたも経験あるのではないでしょうか?
「上司だから答えなきゃ」が望まれているとは限らない
ここ、けっこう勘違いされがちです。
上司に求められているのは、いつも“答え”じゃない。
むしろ多くの場面で求められているのは、
「解を与えてくれる上司」よりも
「自分を分かろうとしてくれる上司」
この差は、部下の中でかなり大きい。
そして今の時代、この差はもっと大きくなっています。
部下の本音:なぜ“共感”が先なのか
部下が相談するときって、心の中はどうなのか?
- 失敗したくない
- 怒られたくない
- 変に評価されたくない
- 自分が無能だと思われたくない
つまり相談の入口は、課題というより不安なんです。
不安が残ったまま「こうしな」と言われると、
部下は“行動”じゃなく“防御”に回ります。
- 失敗しないように無難にやる
- 相談しない
- 言われたことだけやる
- 正解っぽいことだけ言う
これが続くと、上司が一番困る状態になります。
「自分で考えて動いてよ…」すらも言えないチームです。
未来が分かれる:共感がないまま続けた先/共感がある先
ここ、イメージしてみてください。
共感がないまま進むと起きがちな未来
- 部下が相談しなくなる(報告が遅れる)
- 表面上は従うけど、腹落ちしてない
- ミスが“隠れる”
- 上司が全部背負う
- チームの空気が固くなる
共感が先にあると起きる未来
- 相談が早い(小さいうちに芽が摘める)
- 部下が自分の言葉で考え始める
- ミスが“共有される”
- 上司の負荷が下がる
- チームに余裕が生まれる
結局、共感って「優しい話」じゃなくて、
チームの生産性を上げる技術でもあります。
じゃあどうする?共感は才能じゃなく“順番”
難しいスキルに見えるけど、コツはシンプルです。
やることは一つ。
回答の前に、共感を示す。
ただそれだけ。
具体的には、会話の最初の30秒を変えます。
明日から使える「共感の型」(5つ)
部下が話し始めたら、まずこの順番でいきます。
- 事実を短く受け取る
「なるほど、今こういう状況なんだね」 - 気持ちを言語化する(推測でOK)
「それ、焦るよね」
「不安になるの分かる」
※“正確さ”より“寄り添う姿勢”が大事 - 否定しない(評価しない)
「それはダメ」より先に
「そう思うの自然だよ」 - 意図を聴く
「ちなみに、あなたは何を一番大事にしたい?」
「どこが一番引っかかってる?」 - 最後に“回答”か“整理”を一緒に選ぶ
「今、答えが欲しい?それとも一緒に整理する感じがいい?」
こんな言葉を投げかけてあげるだけで部下は安心します。
それでも「答えたくなる」あなたへ(上司の気持ちも分かる)
正直、上司側もこうなんですよね。
- 早く前に進めたい
- 相談が長引くと時間がない
- 上司として“役に立たなきゃ”と思う
- 部下が落ちてるのを見るのがつらい
たしかに分かります。
でも、ここで一つだけ言うと——
早く解決したいなら、なおさら共感が先。
共感が入ると、部下の話が短くなります。
それは整理が進み、腹落ちが早いから。
結果として、あなたの時間も守られます。
共感は遠回りに見えて、結局のところ近道です。
おわりに
部下が求めているものは、回答ではなく共感。
上司だから答えなきゃ、が望まれているとは限りません。
むしろ、これからの時代に選ばれるのは——
解をくれる人より、分かろうとしてくれる人かもしれない。
そんな意識で自分自身を
そして部下との対話を振り返ってみてください。
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