はじめに
「何を言っても動かない」
「指示を出しても、結局やらない」
そんなとき、リーダーの心にはいくつもの感情が生まれます。
——虚しさ。
——怒り。
——落胆。
——そして、自己嫌悪。
「自分の伝え方が悪いのかもしれない」
「もしかして、あの子にはやる気がないのかも」
「チームをまとめる力が、自分にはないのかも」
そう感じたことがある人は、決して少なくありません。
でもその思いの多くは、誤解かもしれません。
「やる気がない」のではなく「腑に落ちていない」だけ
部下が動かないとき、私たちはつい「やる気の問題」にしてしまいます。
でも本当の原因は、もっと静かで、もっと深いところにあります。
それは——
「理解はしているけど、まだ“納得”していない」状態。
「言われたこと」は分かっている。
でも「なぜそれをやるのか」「どんな意味があるのか」が腹落ちしていない。
人は“理解”しただけでは動きません。
“納得”したときに、初めて動き出します。
人は命令では動かない
どれだけ強く言っても、どれだけ正しく伝えても、
人は「自分でそう思えたとき」にしか動きません。
- 「そうか、確かにそうだな」
- 「たしかにその方がいいかもしれない」
- 「自分もやってみよう」
この“自分の中から出てくる動機”こそが、人を動かすエネルギーです。
そして、それを引き出すのがリーダーの言葉です。
答えを与えるマネジメントから、理由を与えるマネジメントへ
リーダーがすべきことは、「何をやるか」を伝えることではありません。
その“理由”と“考え方”を共有することです。
たとえば、
「この資料、今日中にまとめて」ではなく、
「この資料を今日中に仕上げたい理由は、明日の打ち合わせでチームが迷わないためなんだ」
ただ命令を出すのではなく、背景を伝える。
すると、部下は「やらされる」から「やる意味がある」に変わります。
あなたが少し変われば、部下は必ず変わる
リーダーが変わると、チームは変わります。
でも、それは大きな改革や、派手な仕組みではありません。
ほんの少し——
伝え方を変えるだけでいい。
- 命令の前に、理由を添える
- 指示の前に、意図を話す
- 正論の前に、共感を置く
その小さな一歩が、
部下の中に「理解」ではなく「納得」を生み出します。
やる気を“与える”のではなく、
やる気が“生まれる”土壌を整える。
それが、リーダーの本当の仕事です。
最後に
「部下を変えたい」と思うなら、
まずは、あなたが少しだけ“伝え方”を変えてみてください。
それだけで、
部下の目の色も、チームの空気も、きっと変わります。
小さな変化は、静かに連鎖していきます。
その最初のきっかけは、いつだって“あなたの言葉”から始まります。
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