部下を見ている。
——それでも、チームが静かに弱くなる理由。
「部下のことはちゃんと見ています。」
そう言い切れる新任管理職は多いです。
実際、あなたも見ているはずです。
進捗も把握している。
性格も分かっている。
得意不得意も知っている。
必要なら声もかけている。
それでも——
なぜか、チームの空気が軽くならない。
なぜか、部下が自分から動き出さない。
なぜか、本音が出てこない。
ここに、見落とされがちな“ズレ”があります。
上司の「事実」と、部下の「実感」
上司は見ている。
でも部下は、こう感じていることがあります。
- 「ちゃんと見られてる気がしない」
- 「評価はされるけど、理解はされてない」
- 「ミスした時だけ注目される」
- 「頑張ってる過程は、誰も知らない」
- 「結局、結果だけなんだよな」
あなたが怠けているとか、冷たいとか、そういう話ではない。
ただ、“見ている”の定義が、上司と部下で噛み合っていないことが多いんです。
なぜズレは起きるのか(5つ)
① 上司は「成果」を見ている
部下は「過程」を見てほしい。
上司は結果責任を負っています。
成果を見るのは当たり前です。
でも部下は、成果の前にこう思っています。
- 「どう考えたか」
- 「どこで迷ったか」
- 「どんな工夫をしたか」
- 「どんな怖さを越えたか」
この“過程”に光が当たらないと、部下の中でこうなります。
結果は評価はされていても、過程は理解はされていない。
この状態は、じわじわ信頼を削ります。
② 上司は「問題が起きた時」に強く関わる
普段は任せる。
トラブルが起きた瞬間に一気に介入する。
合理的です。
上司としては当然の動きです。
でも部下の中の翻訳は、こうなりがちです。
「普段は見てないのに、ミスした時だけ見てくる」
「見られてる=監視されてる」
安心ではなく、緊張が残る。
すると対話は少なくなります。
相談は減ります。
“安全な報告”だけが増えます。
③ 上司は「頭の中で理解している」
「彼は慎重タイプ」
「彼女は気を遣いすぎる」
「この人は自信が揺れやすい」
ちゃんと把握している。間違ってもいないかもしれない。
でも、それを言葉にしていない。
部下からすると、こうです。
伝わらない理解は、存在しないのと同じ。
上司の中では“見ている”のに、
部下の中には“見られている実感”が残らない。
④ 上司は「ざっくり褒める」
「最近いいね」
「頑張ってるね」
「助かってるよ」
悪くない。
でも、何がどう良いのかがない。
具体がない承認は、相手の中でこう変換されます。
- 「誰にでも言ってそう」
- 「本当は見てないんだろうな」
- 「結局、評価のための言葉かな」
承認は、強い言葉より“解像度”です。
⑤ 上司は「自分の基準」で見ている
スピード重視。
論理重視。
数字重視。
結論重視。
部下は、丁寧さを大事にしているかもしれない。
関係性を重視しているかもしれない。
慎重さを武器にしているかもしれない。
基準のすり合わせがないまま評価すると、部下の中でこうなります。
「どう頑張ればいいのか分からない」
「自分の良さは、ここでは価値がないんだ」
ここまでいくと、挑戦は止まります。
無難が増えます。
本音は出ません。
このズレが生むもの
部下が「見られていない」と感じると、
人はこう動きます。
挑戦より、無難。
工夫より、正解探し。
対話より、様子見。
相談より、自己防衛。
そして少しずつ、チームの空気は重くなる。
- 本音が減る
- 相談が減る
- 挑戦が減る
- 工夫が減る
- 当事者意識が薄くなる
最後に残るのは、貢献実感の欠乏です。
エンゲージメントって、結局ここです。
制度でも、スローガンでもない。
日々の仕事の中で、「自分はここで役に立っている」と感じられるか。
そしてそれは、
信頼と対話がある場でしか育ちません。
では、どう立て直すか(明日からの一手 5つ)
きれいごと抜きで、現場でまわる形に落とします。
長くやる必要はありません。
小さく、でも確実に。
① 結果より先に「過程」に触れる
例)「今回の段取り、最初の共有が良かった。あれでズレが減ったね」
→ 部下は「見てもらえた」と感じます。
② 理解していることを“短く”言葉にする
例)「君の慎重さは武器。だからこそ確認を挟めるのが強い」
→ 部下の自己理解が進みます。
③ 承認は“解像度”で出す
例)「昨日のあの言い回し、相手の表情が柔らかくなった。あれ良かった」
→ “見てる”が伝わります。
④ 期待の“基準”を先に共有する
例)「今回は早さより、共有の質を重視したい。途中で一回相談して」
→ 部下の迷いが減り、動きが速くなります。
⑤ 「私の視点」と「君の希望」を握る
例)「私が見たいのはここ。君はどこを見てほしい?」
→ ズレが表に出て、修正できます。
この5つは、テクニックというより土台です。
“見てもらえている”実感が増えると、部下の視点は変わります。
上司の顔色から、
顧客の表情へ。
ここで初めて、チームのエンゲージメントは上がり始めます。
最後にあなたに問いたい
あなたは部下を見ていますか?
それとも、部下は「見てもらえている」と思えていますか?
この差は、小さいようで大きい。
信頼と対話は、ここから始まります。
あなたが育てたいのは、
“言われたことを無難にこなすチーム”ですか?
それとも、
“自分の頭で考え、工夫し、貢献を誇れるチーム”ですか?
その分かれ道は、
「見ている」ではなく、
「見てもらえている」にあります。
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