はじめに
部下に向いて欲しいのは、あなたじゃなくお客様。
これはきれいごとではなく、とはいえ、とても大切な考え方です。
ここで一つ、前提を揃えます。
「部下が自分の方を向かない」
それ自体は、悪いことではありません。
むしろ、信頼関係が整っていて、部下の目線が“お客様”に向いているなら——
それは理想に近い状態です。
ただ、問題はここです。
部下の目線があなたに戻ってしまう瞬間がある。
そしてそれは、多くの場合「不安」であるということ。
今日はこの話を、現場の言葉で整理します。
責める話じゃなくて、立て直す話です。
新任管理職あるある(共感パート)
これ、心当たりありませんか?(5つ)
- 部下が確認ばかりで、動きが遅い
自分で判断せず、「まず上司のOK」を取りに来る。 - 報告が遅い/悪いニュースほど上がってこない
小さい芽のうちは出てこなくて、火が大きくなってから出てくる。 - “正解っぽい”ことだけ言う部下が増える
本音や懸念が表に出ず、会議が無難に終わる。 - ミスが起きたあとに、初めて状況が見える
「もっと早く言ってくれれば…」が増える。 - 部下が工夫しない、改善が止まる
指示待ちが増え、上司の負荷だけが増えていく。
どれも、部下の能力の話に見えます。
でも実は、“目線の先”が変わっているだけかもしれません。
目線が「上司」に向くと、判断の基準が変わる
上司の方を向く部下は、判断の基準が「上司の反応」になります。
結果、行動はこうなりやすい。
- ミスを避ける
- 正解っぽいことだけやる
- 余計なことはしない
- まず確認する(=止まる)
逆に、お客様の方を向く部下は、判断の基準が「お客様の反応」になります。
結果、行動はこう変わる。
- 工夫する
- 直す
- 先回りする
- 改善する
同じ人でも、基準が変わると行動が変わる。
ここが重要なポイントです。
ただ、、、その状態は勝手には生まれない
「お客様を見て」
そう言えば部下の目線が変わるわけじゃない。
部下の目線がどこに向くかは、
能力より先に“安心できる空気”で決まります。
リーダーを信頼している時こそ、部下は安心してお客様の方を向ける。
逆に信頼が薄いと、目線は上司に戻る。
「怒られないように」
「間違えないように」
部下が見ているのは、上司の顔じゃなくて、上司の“反応”です。
この反応が読めない、怖い、となった瞬間に、部下はお客様から目を離します。
部下の本音:上司に目線が戻る瞬間
部下の中に、こういう問いが立った時です。(3つ)
- これ、怒られるかな
- 間違えたら評価が下がるかな
- 先に確認しないと危ないかな
ここで起きているのは、能力の問題ではなく“環境”の問題。
最適化対象が「お客様」から「上司」へすり替わっている。
だから「主体性を持て」はズレが生じやすい。
主体性が出せる空気を整える方が先です。
信頼は「優しい話」じゃなくて、生産性の話
信頼って、精神論に見えるかもしれません。
でも現場では、めちゃくちゃ生産性に直結します。
信頼があると…
- 相談が早い(芽のうちに出る)
- ミスが隠れない(共有される)
- 判断が揃う(工夫が増える)
- 上司の指示が減る(確認が減る)
信頼が薄いと…
- 報告が遅い(後手になる)
- 無難さが増える(改善が止まる)
- 指示待ちが増える(上司が疲弊)
つまり信頼は、チームの空気だけじゃなく
上司の負荷とチームのスピードを左右します。
明日からできる「部下の目線をお客様に戻す」一手
大改革はいりません。
まずはこの5つのどれか1つでOKです。チャレンジしてみてください。
1)ミスの話になったら、結論より先に“状況”を受け取る
「そうだったんだね。今どこが一番問題そうかな?」
2)迷った時の“判断基準”を一つだけ握っておく
「迷ったら“お客様にとって分かりやすい方”で考えてみようか」
3)任せる時に“最後は支える”を言葉にする
「任せたよ。でももしうまくいかなかったら一緒に考えよう」
4)工夫を“結果”より先に拾う
「その視点いいね。お客様の反応を見てたんだね」
5)毎回の判断軸を先に共有して“上司の反応”を予測させない
「今回は“丁寧さ優先”。スピードより安心を取ろう」みたいに、先に基準を言う。
この5つは全部、部下の不安を減らして
判断基準をお客様に戻すための手です。
小さくても、積み上がると空気が変わります。
ゆっくりと、でも確実に。
最後にあなたに問いたい
部下があなたに見ているものは、〝信頼〟ですか?〝不安〟ですか?
そしてあなたは部下をどう見ていますか?
「失敗するなよ」なのか
「任せたよ」なのか。
一度だけ、問い直してみてください。
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