はじめに
チームを率いるリーダーにとって、メンバーが「自分のことを見てくれている」と感じることは、信頼関係の基盤となります。しかし、日々の業務に追われる中で、メンバー一人ひとりの変化に気づくのは容易ではありません。特に新任リーダーの方にとっては、どうすれば良いのか手探りである場合も多いでしょう。
本記事では、私自身の経験をもとに、メンバーとの信頼関係を築き、変化に気づくための最もシンプルで効果的な方法——「挨拶」の力についてお伝えします。難しいスキルは必要ありません。今日からすぐに実践できる内容ですので、ぜひ参考にしてください。
1. メンバーが求めるもの—「見てくれている」と感じる瞬間
リーダーとして、メンバーがどのようなことを期待しているかを理解することが重要です。その中で特に大切なのが、自分の存在が「見られている」と感じられること。これは、ただ監視されているという意味ではなく、自分の成長や努力をリーダーが気づいてくれているという実感です。
メンバーにとって「変化に気づいてもらえる」瞬間は、特別な体験になります。例えば、成長した部分や、逆に元気がない日など、リーダーがその微細な変化を察知して声をかけることで、メンバーは「自分を大切にされている」と感じ、信頼が生まれるのです。
2. 挨拶—信頼関係と変化への気づきの第一歩
私がフードサービス業時代に得た経験の中で、最も効果的だった行動が「挨拶」です。挨拶は、単なる形式的なコミュニケーションではなく、リーダーとメンバーの信頼を築くための強力なツールになります。
例えば、私が率いていたチームでは、毎回必ずメンバー一人ひとりの目を見て「おはよう!」と声をかけていました。このシンプルな行動を続けることで、次第にメンバーの変化に気づけるようになりました。
- 声のトーンや表情
- 目線や反応速度
- 全体的な雰囲気や元気さ
これらの変化は、挨拶を毎日続けることで自然とわかるようになります。そして、気づいた変化に対して「どうしたの?」と声をかける。この繰り返しが信頼関係を深め、メンバーとの絆を強くしていきました。
3. デジタルツールとアナログの力
近年では、出勤時にその日の気分や状態を数値やアイコンで申告するデジタルツールも活用されています。これらは組織全体の感情やモチベーションを可視化する便利な仕組みですが、リーダーが直接メンバーの表情や声に触れる「アナログな挨拶」の持つ力には代えがたいものがあります。
新任リーダーとして、デジタルツールとアナログなコミュニケーションを組み合わせることで、メンバー一人ひとりの状態をより深く理解することができます。まずは挨拶という基本から始めてみてください。
4. 挨拶が生むチームの未来
挨拶を通じた日々のコミュニケーションは、チーム全体の雰囲気を大きく変えます。メンバーの変化に気づけるようになれば、適切なサポートやフィードバックを行うことができるようになります。その結果、メンバーのモチベーションが向上し、チームのパフォーマンスが向上します。
また、リーダー自身も、メンバーと直接向き合うことで得られる気づきや学びが増え、リーダーとしての成長につながります。
おわりに
リーダーに求められるスキルや知識は多岐にわたりますが、信頼関係を築くための第一歩は、意外にもシンプルです。それは「目を見て挨拶する」という行動です。この基本的なコミュニケーションを通じて、メンバーの変化に気づき、信頼を築き、チームをより良い方向へ導くことができます。
今日から、まずは挨拶から始めてみませんか?その一歩が、あなたのリーダーとしての未来を大きく変える第一歩になるはずです。