嫌いな上司は待っていても変わらない。管理職が自分から関係を動かす方法。

コミュニケーション

はじめに

上司が苦手。

話すだけで疲れる。
できれば関わりたくない。
何を言っても変わらない気がする。

そんなふうに感じることは、現場では普通にあります。

管理職やリーダーという立場になると、部下との関係だけでなく、上司との関係にも悩みます。

上から言われることに納得できない。
方針がよく変わる。
現場の状況を分かっていないように見える。
相談しても、結局こちらが疲れるだけ。

そうなると、だんだん上司と話すこと自体が重くなっていきます。

「また面倒なことを言われるのではないか」
「どうせ分かってもらえない」
「この人が変わってくれたら、もっと働きやすいのに」

そう思いたくなる気持ちは、よく分かります。

ただ、ここで現実的な話をします。

嫌いな上司は、待っていても変わりません。

相手が変わってくれるのを待っていても、状況は大きく変わらないことが多いです。

もちろん、上司側に問題がある場合もあります。
相手の言い方、関わり方、判断の仕方に課題があることもあります。

それでも、自分が苦しいまま、相手の変化だけを待ち続けるのは危険です。

なぜなら、その間にも自分は消耗します。
そして、チームにも影響が出るからです。

嫌いな上司がいると、仕事そのものが重くなる

上司との関係が悪いと、仕事の見え方が変わります。

本当は早めに相談した方がいい。
でも、話したくない。

本当は確認しておいた方がいい。
でも、また嫌な言い方をされるかもしれない。

本当は自分の考えを伝えた方がいい。
でも、どうせ否定される気がする。

こうして、必要な会話が後回しになります。

すると、仕事のスピードが落ちます。
判断も遅れます。
自分の中に不満もたまります。

そして、その不満は自分だけで完結しません。

部下への言い方がきつくなる。
チーム内で上司への愚痴が増える。
上司の意図を確認しないまま、現場で勝手に解釈する。
結果として、チーム全体の空気が悪くなる。

上司が嫌い。
それ自体は感情として自然です。

ただ、その感情を放置したまま仕事を続けると、いつの間にかチーム運営にも影響します。

ここは、かなり現実的に見た方がいいです。

「上司が変わればいい」と思っても、現実はそう簡単ではない

多くの場合、上司との関係で悩むと、こう考えます。

「上司がもっと現場を見てくれたら」
「上司がもっと話を聞いてくれたら」
「上司がもっと言い方を変えてくれたら」
「上司がもっとこちらを信頼してくれたら」

たしかに、その通りかもしれません。

上司が変われば、関係はよくなるかもしれない。
チームも動きやすくなるかもしれない。
自分ももっと力を出せるかもしれない。

でも、問題はそこではありません。

相手が変わるかどうかは、自分では決められないということです。

ここを見誤ると、ずっと待つことになります。

いつか分かってくれるはず。
いつか言い方が変わるはず。
いつか現場を理解してくれるはず。

でも、待っているだけでは、多くの場合、何も変わりません。

上司が悪いかどうかとは別に、自分の側から関係の持ち方を変えなければ、状況は同じところを回り続けます。

これは、精神論ではありません。

現場で仕事を前に進めるための、かなり実務的な考え方です。

私にも、苦手な上司がいました

私自身も、苦手な上司がいました。

正直、このままでは自分もしんどい。
そして、チームにとってもよくない。

そう感じたことがあります。

上司の考えが見えない。
何を期待されているのか分からない。
こちらの状況も伝わっていない気がする。
でも、こちらから関わるのも気が重い。

そんな状態でした。

そのときに思ったのは、

「この人が変わってくれたらいいのに」

でした。

でも、現実にはそう簡単には変わらない。

であれば、自分から少し動くしかない。
そう考えて、自分から1on1の時間を申し出ました。

「毎週、定例で少し時間をいただけませんか」

そう伝えました。

相手のためだけではありません。
自分が働きやすくなるためです。
そして、チームが動きやすくなるためです。

きれいな理由だけではありません。
自分を守るためでもありました。

最初からうまくいったわけではない

もちろん、最初からうまくいったわけではありません。

最初は、かなりぎこちなかったです。

何を話せばいいのか分からない。
どこまで本音で話していいのか分からない。
話しても、すぐに関係が変わるわけではない。

正直、気まずさもありました。

「やっぱりやめた方がよかったかな」

そう思うこともありました。

でも、そこでやめませんでした。

少しずつ話す。
少しずつ確認する。
少しずつ自分の考えを伝える。
少しずつ相手の考えも聞く。

それを続けていきました。

すると、少しずつ変化が出てきました。

上司の考えが分かるようになる。
こちらの状況も伝わりやすくなる。
判断の背景を確認できるようになる。
余計な誤解が減る。

大きな変化ではありません。
でも、確実に仕事は進めやすくなっていきました。

そして気づけば、その1on1は「面倒な時間」ではなく「必要な時間」になっていました。

関係は、待っていても変わらない

上司との関係に限らず、人間関係は待っているだけでは変わりません。

相手が変わってくれるのを待つ。
相手が気づいてくれるのを待つ。
相手が歩み寄ってくれるのを待つ。

もちろん、そうしてくれたら楽です。

でも、現場ではそうならないことの方が多いです。

特に、上司と部下の関係では、お互いに思い込みがあります。

上司は上司で、
「部下からもっと相談してくればいい」
「自分から言ってこないなら問題ないのだろう」
「任せているのだから、細かく聞かなくてもいい」

と思っているかもしれません。

一方で部下は、
「上司から声をかけてほしい」
「こちらの状況を分かってほしい」
「相談しやすい空気を作ってほしい」

と思っている。

お互いに待っている。

これでは、関係は変わりません。

どちらが悪いかを決める前に、必要なのは、関係を動かすことです。

上司を変えるのではなく、関わり方を変える

ここで誤解してほしくないのは、自分が全部我慢すればいいという話ではありません。

嫌な上司に合わせ続ける。
理不尽なことを受け入れる。
自分だけが折れる。

そういう話ではありません。

大事なのは、上司を変えようとする前に、自分の関わり方を変えてみることです。

たとえば、

「何を考えているか分からない」と不満を持つ前に、確認する。
「どうせ分かってもらえない」と決める前に、状況を伝える。
「また言われた」と受け身になる前に、こちらから論点を整理して話す。
「上司が悪い」で止める前に、自分が仕事を進めやすくするための接点を作る。

これは、相手に負けることではありません。

自分とチームのために、関係をこちらから動かすということです。

関係性を変えたいとき、相手が変えてくれるのを待っていても、何も変わらないことがあります。

相手が変わるかどうかは、分からない。

でも、自分の関わり方は変えられます。

そして、その変化を通じて、相手の反応が変わることがあります。

1on1は「仲良くなる時間」ではない

上司との1on1というと、少し身構える人もいます。

何を話せばいいのか分からない。
評価に響きそうで怖い。
本音を言っていいのか分からない。
わざわざ時間を取るほどのことなのかと思う。

そう感じる人もいるでしょう。

ただ、1on1は仲良くなるためだけの時間ではありません。

仕事を前に進めるための確認の時間です。

今、何が起きているのか。
どこで判断に迷っているのか。
何を優先すべきなのか。
上司は何を期待しているのか。
こちらは何に困っているのか。

これをすり合わせる時間です。

関係が悪いときほど、いきなり本音をぶつける必要はありません。

まずは、仕事の話からでいい。

「今週の優先順位を確認したいです」
「判断に迷っている点があります」
「チーム内でこういう状況が起きています」
「この進め方で問題ないか確認したいです」

このくらいでいいのです。

関係改善というと大げさに聞こえますが、最初は小さな確認で十分です。

小さな確認を積み重ねることで、少しずつ会話の土台ができます。

小さな一歩でいい

関係を変えるために、最初から大きな勇気が必要なわけではありません。

いきなり深い話をする必要もありません。
いきなり本音を全部伝える必要もありません。
いきなり関係を良くしようとしなくてもいい。

まずは小さな一歩で十分です。

たとえば、

週に一度、10分だけ話す時間をもらう。
今週の優先順位だけ確認する。
困っていることを一つだけ伝える。
判断に迷っていることを一つだけ相談する。
相手の考えを一つだけ聞いてみる。

この程度でいいです。

ただし、やるかやらないかでは大きく違います。

関係は、一気には変わりません。

でも、小さな接点を作ることで、相手の見え方が少し変わることがあります。
こちらの見え方も少し変わることがあります。

「思っていたより、話せるかもしれない」
「意外と考えはあったのかもしれない」
「こちらの伝え方も足りていなかったかもしれない」

そうした小さな変化が、次の会話につながります。

管理職こそ、上司との関係を軽く見ない方がいい

管理職になると、どうしても部下との関係に意識が向きます。

部下をどう育てるか。
部下にどう任せるか。
部下とどう信頼関係を作るか。
部下にどう伝えるか。

もちろん、それは大切です。

ただ、上司との関係を軽く見ない方がいいです。

なぜなら、上司との関係が悪いと、自分の判断やチーム運営に影響するからです。

上司の意図が分からないまま、部下に指示を出す。
上司への不満を抱えたまま、チームを動かす。
上司とすり合わせないまま、自分の判断だけで進める。

これが続くと、管理職本人も苦しくなります。

部下の前ではリーダーでいなければならない。
でも、上司とはうまく噛み合っていない。
その板挟みが、管理職を疲れさせます。

だからこそ、上司との関係は、個人的な好き嫌いだけで片づけない方がいい。

自分が仕事をしやすくするため。
チームが動きやすくなるため。
部下に余計な影響を出さないため。

そのために、上司との接点をこちらから整える必要があります。

関係を変えるのは、相手を変えることではない

関係を変えるというと、相手を変えることだと思いがちです。

上司の言い方を変えたい。
上司の考え方を変えたい。
上司の態度を変えたい。

そう思うのは自然です。

でも、関係は相手だけでできているわけではありません。

自分の出方。
自分の伝え方。
自分の確認の仕方。
自分の距離の取り方。

そこにも、変えられる余地があります。

相手が変わるのを待っていても何も変わらないとき、まずは自分から変わる。

これは、きれいごとではありません。

自分のためです。
チームのためです。
そして、仕事を前に進めるためです。

自分から変わるというのは、相手に合わせることではありません。

自分が主導権を取り戻すことです。

嫌な上司に振り回されるのではなく、自分がどう関わるかを選ぶ。

ここに、管理職としての現実的な強さがあります。

おわりに

嫌いな上司は、待っていても変わりません。

相手が変わってくれるのを待ち続けても、状況は大きく動かないことが多いです。

もちろん、上司側に問題があることもあります。
納得できない言い方をされることもあるでしょう。
現場を分かっていないと感じることもあるでしょう。

それでも、自分が苦しいまま、相手の変化だけを待つのは危険です。

関係を変えたいなら、相手が変えてくれるのを待つのではなく、自分から小さく関わり方を変えてみる。

週に一度、短い時間をもらう。
優先順位を確認する。
迷っていることを一つ相談する。
こちらの状況を一つ伝える。

最初はぎこちなくても構いません。

大きな変化ではなく、小さな変化でいい。
その小さな変化が、上司との関係を少しずつ変えていきます。

そして、その変化は自分だけでなく、チームにも影響します。

上司との関係を変えることは、ただ仲良くなることではありません。

自分が働きやすくなるため。
チームが動きやすくなるため。
管理職として、余計な不安や不満に振り回されないため。

そのための、実務的な一歩です。


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