はじめに
リーダーとして、部下と同じ目線で物事を捉えられているでしょうか?
「自分と同じ目線で成長してほしい」
そう願うのは自然なことですが、実際にどれくらい目線が揃っているのかを確かめたことはありますか?
今回は、私が実践して大きな気づきを得た「目線合わせ」の取り組みを紹介します。簡単な方法ですが、驚くほどの効果がありました。
上司の大事な3つ vs 部下の大事な3つ
私は毎週、部下とのミーティングを行っていました。当初の目的は、業務の円滑な進行と部下とのコミュニケーションの促進です。
このミーティング自体は効果的でした。
・部下が報連相をしやすくなった ・業務の滞りがなくなった ・関係性が良くなった
しかし、せっかくの貴重な時間をもっと有意義に使えないかと考え、新たな試みを始めました。
それが、
「上司の大事な3つ vs 部下の大事な3つ」
ルール
- 毎回ミーティングの最初に、お互いが重要だと思う3つの議題を発表する
- その議題についてのみ議論する
いざ実践してみると、驚くべき事実が判明しました。
上司と部下が挙げる3つの議題が毎回まったく異なっていたのです。
つまり、お互いが見ている視点や重要だと感じることに大きなズレがあることが分かりました。
目線がズレていることの気づき
毎週ミーティングを続けるうちに、次のような発見がありました。
- 部下の目線の高さ(現在地)が分かる
- 部下が「大事」だと思うことの傾向が分かる
- 例えば、人事関連や数字関連、相談系か報告系か
- 部下の優先順位のつけ方が分かる
「目線を揃えよう」と始めた取り組みでしたが、最初はむしろ目線の違いを痛感することになりました。
しかし、継続することで徐々に変化が生まれてきたのです。
継続することで起こった変化
① ミーティング外でのやりとりが増えた
部下は今まで、重要度の低いことも含めてすべてミーティングに持ち込んでいました。しかし、3つに絞るルールにしたことで、
「これはミーティング以外で解決しよう」
と判断し、メールやチャットでのやり取りが増えました。その結果、ミーティングの質が向上しました。
② 重要な議題にじっくり向き合うようになった
議題が多すぎると、1つ1つを深く議論する時間がありませんでした。しかし、3つに絞ることで、
・本当に重要なテーマを深掘りできる ・時間内にしっかり結論を出せる
といった変化が生まれました。
③ 3つも出なくなる
最初は6つあった議題も、最終的には「3つすら出ない」こともありました。
なぜなら、
・ミーティング外で解決できることが増えた ・目線が揃い、話し合うべきポイントが明確になった
からです。
そして、部下の思考が鍛えられ、リーダーに近い目線を持つようになっていきました。
明日からできること
今回紹介した取り組みはシンプルですが、非常に効果的です。
あなたのチームでも、ぜひ以下のステップで試してみてください。
- 定期的なミーティングを設ける(毎週 or 隔週など)
- 「上司の大事な3つ vs 部下の大事な3つ」を実践する
- 継続して取り組み、目線のズレを修正していく
部下の目線を知ることが、リーダーとしての成長にもつながります。
まずは試しに1ヶ月だけでも実践してみませんか?
おわりに
部下と同じ目線を持つことは、リーダーとしての大きな課題の一つです。
しかし、目線の違いを知り、それを埋めていくプロセスそのものが、部下の成長につながります。
このシンプルな方法を活用し、チームの成長を加速させてください。