はじめに
リーダーとしてチームを率いるとき、あなたの言葉がどれだけ正しく伝わっているか、気になったことはありませんか?
「部下に説明したのに、なぜか意図が伝わっていない…」 「しっかり指示したはずなのに、思った通りに動いてくれない…」
そんな経験をしたことがあるリーダーは多いはずです。
私が意識しているゴールは、部下の頭の中に自分と同じ映像が浮かんでいる状態です。つまり、「言葉を聞いた相手が、自分と同じイメージを持てるかどうか」が鍵になります。
今回は、そんな課題を解決するために、すぐに実践できる「伝え方の10のポイント」を紹介します。
伝え方の10のポイント
1. 場の空気を考える
極度の緊張や雑音が多い場所、気が散る環境などは話が十分に伝わりません。話す内容にもよりますが場の空気を考えましょう。
2. 何の話をするのか伝える
いきなり本題に入ると、相手は「何の話なのか?」と混乱してしまいます。まずは「これから○○について話します」と伝え、話の全体像を示しましょう。
3. 結論から先に伝える
時系列でダラダラ話すと、相手の理解が追いつかず、何を伝えたいのか分かりにくくなります。まずは結論を伝え、その後に理由や背景を説明するのが効果的です。
4. 数字を使う
「たくさん」「すごく」などのあいまいな表現ではなく、「3つのポイント」「20%向上」など、具体的な数字を使うことで、相手に明確なイメージを持たせることができます。
5. 文字より図形を活用する
資料を使う場合、文字だけが並んでいると相手は理解しにくくなります。グラフや図を活用し、直感的に伝わる工夫をしましょう。その上で、口頭で補足説明を加えると、より効果的です。
6. 具体例や例え話を使う
相手の理解度や経験に応じて、身近な例や具体的なケースを示しましょう。例えば、「売上が伸び悩んでいる」と言うよりも、「先月に比べて成約率が10%下がった」と言った方が伝わりやすくなります。
7. 専門用語を使わない
業界用語や難しい専門用語は、相手の知識レベルによっては伝わりません。「誰にでも分かる言葉で説明する」ことを意識しましょう。
8. 繰り返す
重要なポイントは、一度だけでなく、言葉を変えたり、同じ表現で繰り返したりして伝えましょう。繰り返すことで、相手の記憶に残りやすくなります。
9. 非言語情報に注意する
声のトーン、スピード、身振り手振り、表情、しぐさなど言語以外(非言語情報)から伝わるコミュニケーションをノンバーバルコミュニケーションと言います。ここから伝わる情報は全体印象の9割を占める、とまで言われるほど重要です。(メラビアンの法則)
この9割の情報を駆使し、言語だけでは伝わりきらない話の強弱、重要度、を補完します。
10. 質問をする、または質問がないか確認する
相手が「はい」「いいえ」で回答できる確認質問ではなく説明や復唱で回答してもらえるような質問を。また、相手はこちらの想定外な部分で行き詰まっている可能性もありますので質問する機会も与えます。「理解しましたか?」と聞くだけでは不十分です。「ここまでの内容を説明できますか?」と問いかけることで、本当に理解しているかを確認できます。相手の疑問を引き出す工夫も必要です。
明日からできること
いきなり10個を意識する必要はありません。まずは意識すること、そしてもし具体的な行動として変化することが出来るなら以下のものからチャレンジしてみて下さい。
- 結論から伝える習慣をつける
- 「○○です。その理由は…」という順番で話すことを意識しましょう。
- 数字を使う
- 「多い」ではなく「5割増加」「3つのポイント」など、具体的な数字を使うように意識しましょう。
- 例え話を入れる
- 相手に伝わりにくいと感じたら、身近な例に置き換えて説明してみましょう。
- 話した後に質問をする
- 「ここまでで分からないことはありますか?」ではなく、「この説明を別の人に伝えるとしたら、どう説明しますか?」と問いかけると、理解度を測りやすくなります。
おわりに
リーダーとして伝える力は、メンバーの動きやチームの成果に直結します。しかし、一朝一夕で身につくものではありません。
まずは、今日から意識できるポイントを1つでも実践してみてください。少しずつ積み重ねることで、「伝えたつもり」ではなく、「伝わる」リーダーへと成長できます。
本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。