『何かあったら言ってね』が自己満足にならないために

コミュニケーション

はじめに
「何かあればいつでも言ってね」「気になることがあったら連絡ちょうだい」──あなたもチームメンバーに、こんな言葉をかけたことがあるかもしれません。面談や日常の会話の締めくくりで、自然に出てくる言葉ですよね。

これらの言葉には「あなたの意見を大切に思っている」「相談があればいつでも乗るよ」という意図が込められているはず。メンバーを安心させ、オープンな関係を築くためのものですよね。

でも、本当にその意図は相手に伝わっているでしょうか?そして、それをきっかけに、メンバーが気軽に話をしてくれたことはどれくらいあるでしょうか?

今日は、この「いつでも話していいよ」という言葉について深掘りし、実際にどうすれば信頼を深められるのか、一緒に考えていきましょう。

1. 思い込みに陥りやすいリーダーの心理
「何かあればいつでも言ってね」と声をかけると、どこかで安心しませんか?「これで自分はオープンなリーダーだ」「メンバーも安心しただろう」と思い込んでいませんか?

でも、その言葉をかけた後、実際にメンバーが気軽に相談や意見を持ちかけてくれるケースはどれくらいありますか?

振り返ってみてください。もしかしたら、メンバーのほうがむしろ「そんな簡単に言いに行けるわけじゃない」と感じているかもしれません。

実はこの「何かあったらいつでも」という言葉、リーダー側の安心感や自己満足で終わっているケースが多いのです。

2. メンバー視点で考えると見えてくること
あなた自身も、上司や先輩から「気になることがあったらいつでも相談してね」と言われた経験があるのではないでしょうか。そしてその後、どれくらい「いつでも」「気軽に」相談に行けたでしょうか?

実際に相談に行けた場合、その上司や先輩はそもそも「何かあったら…」という言葉をあえて使う必要がないような、日頃から話しかけやすい雰囲気を作っていたのではないでしょうか。

同じように、チームメンバーに「いつでも相談していいよ」と声をかけても、その関係性や雰囲気が整っていなければ、言葉だけでは効果を発揮しないのです。

3. 言葉以上に大切なこと
「何かあればいつでも言ってね」という言葉そのものは間違っていません。でも、この言葉だけで関係性が構築できるわけではありません。

重要なのは、普段のコミュニケーションで「このリーダーなら何でも話せる」と思ってもらえる環境を作ることです。そのためには、あなた自身がメンバーに対して興味を持ち、一人ひとりの考えや気持ちに寄り添う姿勢を示し続ける必要があります。

たとえば、普段から雑談の中でメンバーに関心を示し、彼らの状況や考えを積極的に聞き出す努力をしてみてください。そうすることで、メンバーは「本当に何でも話せる」と感じられるようになるでしょう。

おわりに
「いつでも言ってね」という言葉は、リーダーとしての誠実な姿勢を伝える第一歩です。ただ、その言葉に頼りきるのではなく、日々の行動で信頼関係を築くことが求められます。

あなたが描く理想のリーダー像は、メンバーからも「信頼できる」と認めてもらえる姿でしょう。そのために、「伝える」だけで終わらず、「寄り添う」リーダーを目指してみてください。

この記事があなたのヒントとなり、メンバーとの関係をより良くするきっかけとなることを願っています。

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