管理職としての第一歩を踏み出したとき、あなたは何に自信を持ち、何に不安を感じましたか?新任管理職にとって、日々の業務を回しながらチームを率いることは、大きな責任と挑戦です。本記事では、新任マネジャーにとって最も重要な要素についてお話しします。これを心に留めておくことで、あなたのマネジメントがより強固なものになるでしょう。
上司からの意外な問いかけ
レストランで新任マネジャーとして働いていたある日、上司がお店にやってきました。私はマネジャーとして、お店の数字を必死にアピールし、質問にも自信を持って答えました。さらに、チームメンバー個々の能力やハイパフォーマーについても説明しました。上司もまんざらでもない様子でした。
そして話の最後に、上司から意外な質問が投げかけられました。
「〇〇さん(社員の一人の名前)ってどこから通っているの?」
私は答えに詰まりました。「そういえば知らないな」と。
その後、上司は特に何も言わずその場を去りましたが、このとき私は上司からマネジャーとして0点の評価を受けたのだと感じました。数字や業績、チームメンバーの能力は把握しているけれど、それ以上のことは知らない。それが私の限界だったのです。
マネジャーに求められる本質
では、マネジャーが知っておくべき最も大事なこととは何でしょうか?
それは、自分のチームメンバーを「一人の人」として知ることです。能力や業績だけではなく、彼らの価値観や人生観に興味を持つこと。マネジャーとして成功するためには、まずチームメンバーとの信頼関係を築くことが不可欠です。
チームメンバーを「知る」ことの重要性
あなたのチームメンバーについて、次のような質問を自分にしてみてください。
- どこに住んでいるのか?
- どんな趣味があるのか?
- 学生時代は何をしていたのか?
- 好きな食べ物や将来の目標は?
- なぜこの職場を選んだのか?
これらを知ることで、メンバーそれぞれの背景や価値観が見えてきます。「知っている度合い」は、あなたがその人に注いでいる信頼や愛情と比例しています。そして、相手に向けた興味や熱意は、結果的に信頼を築きます。
信頼の絆が生む強いチーム
マネジメントに関するノウハウ本は数多くあります。しかし、まず何よりも優先すべきは「チームメンバーを知ること」です。
あなたがメンバーに注ぐ興味や熱量は、「見てもらえている、知ろうとしてもらえている」という安心感を生みます。その結果、信頼という形で実を結び、チームの結束力を高めます。信頼で結ばれたチームは、強く尊いものです。
日常会話から始める第一歩
今日から実践できる小さなステップを試してみましょう。
- 「どこから通っているの?」
- 「休みの日は何をしているの?」
- 「昨日、おいしいカフェを見つけたんだけど、カフェとか行くことある?」
これまで知らなかったメンバーの意外な側面や新たな個性が見えてくるはずです。その積み重ねが、業務指示や教育、面談、目標管理といったあらゆる場面で役立つでしょう。
チームメンバーは皆、多様な価値観や生き方を持つ魅力的な人たちです。一緒に働くのなら、まずは彼らのことを知ることから始めてみませんか?それが、あなたのマネジメントを成功へ導く鍵となるでしょう。