部下を守るとは何か?リーダーが知っておくべき本当の意味

マネジメント

はじめに

「部下を守る」というと、多くの人が「何から守るの?」と思うかもしれません。職場にはさまざまな課題があり、リーダーが部下を守る場面は多岐にわたります。その中でも、今回は会社から部下を守るという視点で考えてみましょう。

ここでいう“会社”とは、あなたの上司や社内の上層役職者など、部下の評価に影響を持つ人たちを指します。リーダーにとって「部下を守る」とは、具体的には部下を正当に評価してもらうことにほかなりません。以下に、私自身の経験を交えて、この重要なテーマについてお話しします。


部下を正当に評価してもらう重要性

私が人事チームのリーダーに就任した際、引き継ぎでこんな言葉を耳にしました。

“Aさんはとにかく仕事が遅くて、いつも残業ばかりしている”

事実、Aさんの残業時間は社内平均を大きく上回っており、上層部からの評価も芳しくありませんでした。しかし、私は彼女の働きぶりをじっくり観察し、直接話をすることで、意外な事実に気付きました。

彼女はよく席を外していました。そのこと自体もこれまでの上長はよく思っていませんでした。では何故、席を外していたのか?それは従業員からの相談に親身に応じていたからでした。どんなに遅い時間であっても、どんなに時間がかかっても、彼女は相手が納得するまで向き合っていたのです。この取り組みは、相談者の悩みや離職リスクを軽減し、組織に大きな貢献をしていました。ただ、その努力が報われず、勤務時間、残業時間だけで判断され、むしろ「仕事が遅い人」という評価で片付けられていたのです。


リーダーとしてすべきこと

彼女の本当の姿を知った私は、次の3つのアクションを取りました。

  1. 部下の実態を正確に把握する
    • 彼女が抱えている業務の背景や、組織に対する貢献を丁寧に調べました。
  2. 評価者に正確な情報を伝える
    • 上司に彼女の残業の理由や貢献の実態を説明しました。
    • 改善すべき点は彼女に指導しつつ、努力や成果を正当に評価するよう訴えました。
  3. 部下の成長を支援する
    • 改善が必要な点に具体的なアドバイスを与えるとともに、これまでの努力に対する感謝も伝えました。

これらの対応により、彼女は正当に評価されるようになり、自信を持って働けるようになりました。


部下を守るとは何か

「部下を守る」というと、リーダーが部下の責任をすべて負ったり、問題を肩代わりしたりすることだと思われがちです。しかし、それは本質的な解決にはなりません。

本当の意味で部下を守るとは、

  • 部下を育成し、成長を促すこと
  • 部下の成果を正当に評価し、組織にその価値を認めさせること

だと私は考えます。この視点を持つことで、リーダーは部下との信頼関係を築き、チーム全体の成長を実現できます。


おわりに

リーダーとして部下を守るということは、一人一人の努力や成果を見逃さず、それを正しく評価されるように働きかけることです。その過程で、部下が自信を持って成長できる環境を作ることが、リーダーの重要な役割です。

ぜひ、あなたも部下と向き合い、彼ら、彼女らの価値を正当に評価してもらえるよう、行動を起こしてみてください。それが結果的に、チームや組織全体の力を底上げすることにつながるのです。

今回もお読みいただき、ありがとうございました。

タイトルとURLをコピーしました