リーダーが陥りがちな“リーダー育成偏重”を乗り越える

人材育成

はじめに

リーダーとしてチームを率いる中で、メンバーの育成は最も重要な業務の一つです。しかし、その育成の方向性について、無意識の思い込みに陥っていないでしょうか。例えば、「全員がリーダー職に就きたいと考えている」と思い込んでいないでしょうか。また、「リーダー職を目指すメンバーだけを高く評価していないか」を振り返る必要があります。

これらの偏った考え方が、メンバーのモチベーションを削ぎ、チーム全体の力を弱める結果につながることもあります。本記事では、リーダーとしての育成のあり方について考え直し、明日から実践できる具体的な行動をご提案します。

メンバー全員が同じ目標を持っているわけではない

組織内でリーダー職に就くことが昇格として見なされるケースが多いのは事実です。しかし、すべてのメンバーがその道を目指しているわけではありません。以下の点を改めて認識しましょう:

  • 全員がリーダーになれるわけではない:ポジション数には限りがあります。
  • リーダーになりたい人ばかりではない:それぞれの目標や価値観が異なります。
  • 異なる役割で力を発揮する人がいる:例えば専門スキルや現場での実務に特化している人。
  • コツコツと与えられた仕事をやり遂げることに喜びを見出す人もいる
  • 多様な役割がチーム力を最大化する:それぞれの強みが活かされて初めて、組織は成長します。

全員を同じ型にはめ込むのではなく、一人ひとりの価値観や目標を理解し、それに合った育成を行うことがリーダーの役割です。

育成の視点を広げる

多くの組織では、リーダー職を目指す人が評価されやすい傾向があります。その理由は、目立つ行動や成果を出しやすいからです。しかし、それだけでは組織は機能しません。むしろ、次のような視点を持つことが重要です:

  • チーム全体を観察する:リーダー職以外で重要な役割を果たしている人にもしっかり目を向ける。
  • メンバーの意志を尊重する:その人が望むキャリアや貢献の形に理解を示す。
  • 新たな才能を見出す:意外な場面で光る個々の才能を伸ばすためのサポートを行う。

これらを意識することで、メンバー全体がそれぞれの役割を全力で果たせる環境が整います。

明日からはじめること

明日からリーダーとして実践できる具体的な行動を以下に挙げます:

  1. 対話の機会を増やす
    メンバー一人ひとりと話し合い、仕事に対する考えや期待を聞いてみましょう。1on1ミーティングを定期的に設定するのも有効です。
  2. 観察を徹底する
    メンバーの働き方や小さな努力にも目を向け、気づいたことを記録する習慣をつけましょう。
  3. 多様な貢献を評価する
    成果が目立たなくても、チーム全体のために尽力している姿勢や専門性を評価する。
  4. フィードバックの頻度を上げる
    小さな成功や努力を見逃さず、その場で具体的なフィードバックを伝えるよう心がけましょう。
  5. チームの多様性を意識する
    役割が異なるメンバーが互いを補完し合うことでチームが成長する、という視点を持ち続けましょう。

おわりに

リーダーとしての役割は、単に次世代のリーダーを育成することだけではありません。メンバー一人ひとりの価値を認め、その可能性を最大限引き出すことが本来の使命です。

すべてのメンバーには、それぞれの役割と生き方があります。リーダーとして、この多様性を尊重し、適切に育成を行うことで、チーム全体の力を引き出すことができます。

さあ、明日から実践してみましょう。あなたのリーダーシップが、チームの未来を大きく変えるきっかけになるはずです。

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